2話目 安藤さん、ステータスとスキルを得る。
あれ!?確か頭の中で【異世界への転生を開始します】とかなんとか言われてたような気がするけど…ろくに覚えて無い…。で、で、しかも私赤ちゃん!
オギャー、バブーって騒ぐいわゆる乳幼児!
目が見えるから生まれたてというわけではなさそうだけど…。
異世界に来た人がこんな時に『情報を整理しよう』とか言うんだろうがそんなん無理でしょ!
え?何?異世界ですか?ISEKAIですか?
そうですか、そうですよね、そうでしょうとも…。
えー、じゃあ何、春兎とのラブラブシーンとか意味なかったのかー!?異世界転生!?今すぐ私を日本に帰せ!
なんでこんなことになるんだよー!
ってジタバタしても何も変わらない。
深呼吸。ひー、ひー、ふー。ん?深呼吸じゃない、違う?まぁまぁまぁ…。少しだけ落ち着いた…。
じゃあ遂に言ってみますか!憧れのあの言葉を!
異世界に来た人が言うあれを!
「ああぅ、あああぅ!」
『情報を整理しよう!』
…………赤ん坊だから声出ません。声出ないというより、舌が発達していません!そりゃそうでした。
ええと?私、安藤ミカ。
25歳、OL。趣味はライトノベルやゲームを愛するただのオタク(?)。働き者と言われてたような…
雑っぽい性格と言動は母親譲りだね。
それなりのルックスだったけど、普段あんまり喋んないから冷たい人みたいに見られてた。あと、強くは言えない性格のおかげでちゃんと社畜でした。
近所の川崎春兎に養ってもらうことが決定して、なんか流れで結婚しようねーとか言ってたのが覚えてる記憶で最後かなー?
それは置いといて。
どうやらこれは異世界転生だと思うな…。
さっきなんか私のこと捨てていった男女がいたし。
なんか言ってたけど聞き取れなかった。
それで?今の私は赤ん坊なわけか。
なんかないかな、こう、ステータス的なやつ。
ん!?急にコールが入ってきた!?
【個体名 アンドウ・ミカがステータスを取得】
【スキル:魔術の神聖
:鑑定
:社畜精神 を取得】
【称号:魔術師の神聖
:働き者(社畜) を取得】
!?!?なんか鳴った!?
ステータスを望んだらいきなりなんかスキル出てきたし…
とりあえず確認しようかな。
「うぇえあぅ」
『ステータス』
ボウッ!
[個体名 アンドウ・ミカ
HP:20 MP:65
攻撃:2 防御:8
魔攻:☓ 魔防:10
俊敏:1
スキル:魔術の神聖
:鑑定Lv1
:社畜精神
称号:魔術師の神聖
:働き者(社畜) ]
これはまたとんでもないステータスに……。
魔攻って魔術攻撃の略?バツになってる。
これ魔術使えないとか…。
それはないと信じる!私は!
とりあえずスキルの能力を確認しようか。
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