二話

 我輩はむっちゃんである。


 魅力度ランキングで最下位になったことで佐賀が独立すると聞いた我輩は、一緒に奮起するべくして、ワラスボのわっちゃんのところに向かうことにした。


 わっちゃんは友だちである。


 しかーし、

 わっちゃんに会うたんびに、我輩はびびりまくってしまう。


 なにせ、わっちゃんの顔が怖い。


 こいつがエイリアンではないかというほどに怖いのだ。


 それでも、我輩にとっては友。


 恐れている場合ではない。


 わっちゃんに一瞬びびりながらも、事情を話すとわっちゃんは食いついてきた。


「なにいいいいい!? 佐賀が魅力度ランキング最下位やとおおおおお!」


 そういいながら、我輩に顔を近づけてきた。


「えすか。えすかけん。ぞかん近づかんでくれんね」


「なんやとおおお。おいがエイリアンごたってえええ」


「そこまでいっとらん」


「どこが魅力のなかというとや! こがんも魅力のあっとこはほかにはなかやっかあああ

 」


 顔を近づけながら力説するわっちゃん。


 怖い。


 怖い。


 そがん近づかんで


 えすかけん!


「よし! おいの出番たい! おいたちが佐賀ば盛り上げるばい!」


 とりあえず、やる気満々らしい。こりゃあ、魅力アップになるかもしれんばい。


「おーい、おめーらー。集まらんね!」


 そんなことを考えているとわっちゃんが地響きでも起こりそうなぐらい大きな声で叫んだら。


 すると、ぞろぞろとわっちゃんの仲間たちが我輩たちのほうへ集まってくるではないか。


 わっちゃんと同じようにエイリアンのような顔がゾロリ。


 我輩の背筋が凍ったのはいうまでない。


「うわあああ」


 我輩はあまりにも怖すぎて跳び跳ねながら絶叫してしまった。


「そうかあ。そうかあ。むっちゃん。そぎゃんも喜んでくれたかあ。はははは」


 なにを勘違いしたのか。

 ワラスボたちが我輩のほうへと近づいてくる。


 怖い


 怖いよ。


 怖いから


 そんなに近づくなあ。



「そっそいぎ、我輩は他に仲間ば探しにいくけん。またあとで」


「おう。わかったばい」


 我輩はぴょんぴょんと跳ねながら、ワラスボの集団から逃げるように離れたのである。



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