窓際に花を、君に愛を。─詩集─

藤咲 沙久

窓際に花を、君に愛を。


部屋に窓を、そこに光を。

限られた空間が暖かさで満たされる。

それは飲み物をコップに注ぐ様に似ていて

胸の裡を埋めていく感情にも近しい。


光に花を、そこに水を。

求め合うものが心のままに結び付く。

妨げられることもなく頬を寄せて、触れて

優しさの芽吹く音が鳴った気がする。


水はまるで、愛のように。

どれだけ迷おうと流れ着くのは君へ。

鮮明に思い出せるのは瞼の裏に残る笑顔で

離れていても、温もりがここに在る。


愛はそして、君の胸に。

羽根が落ちる程の穏やかさで伝える。

窓辺の花へ注がれた光や水と同じくらい

僕にとってかけがえのない存在だと。


窓際に花を、君に愛を。

暖かなこの部屋で二人、いつまでも言葉を紡ごう。




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