school reformar 

木継 槐

腐敗した高校

学校。

それは社会システムの1つである教育制度の中心的システムの一つ、「学校制度」とも称され、社会的作用・社会的活動としての教育は学校が教育制度の中核的役割を担っている。


しかし、教師と生徒の関係性は崩壊し、今や学校制度は崩壊の一途をたどっていた。

この「私立ギプソフィア高等学校(通称:ギー高)」もその一つであった。

そこで、教師が頼ったのは……神の力だった。


神と言っても、天界から降りてくるなんて大層なものではなく、神の力と恐れられた妖のことを指すのだが……人間にとっては大差がないのだろう。

依頼を受けた3妖は、ギー高を訪れた。


職員玄関のインターフォンを鳴らすと、事務員のひとりが顔を出し、首を傾げながら確認の内線をした瞬間、顔色を変えて慌てたように3妖を通した。

校長室に案内されると、学校長は汗じっくになって3人に頭を垂れた。

「よくぞお越しくださいました。学校長を務めるものです。」


「よろしくお願いしますね。」

黒い髪に白のインナーカラーが見え隠れする男は穏やかに微笑んだ。

「この度は私共のためによくぞ…」

「立ち話で進めるのですか?」

学校長が恭しく頭をあげられずにいると、長身の男がその頭を見下ろした。

真っ黒い長髪は人のものと思えないほどに艶があり、項のところで縛られて毛先まで筆のように揃っていた。


「も、申し訳ございません!!ど、どうぞおかけください!!」

「はぁ〜い。」

すると、2妖の影になっていた背の低い男がいの一番に客用ソファに腰かけた。

3人が腰をかけた頃、先程の事務員が緊張の面持ちでお茶を持ってきた。

「よろしければどうぞ。」

「あら、有難くいただきますね。」

事務員が部屋を出たのを確認してから、白のインナーカラーの男は口を開いた。

「改めまして、我々は行逢家の代表を努めます、燐火りんかミヅキです。」

「同じく弥陀山みだやまシヅカです。」

「俺も同じで、大煙管おおぎせるマカで〜す。」

燐火と名乗った白いインナーカラーの男は、自分の紹介の後、弥陀山と大煙管に目配せをした。


「先日お送りした資料は確認頂けましたでしょうか?」

「もちろん。」

「お恥ずかしながら私共の学校は……問題と言いますか……何かと不信任を受けておりまして……その……。」

学校長は顔を青くしながらハンカチで汗を拭っている。

「確かに、ここを通ってくる間にも目立つものが少々ね。」

「資料を拝謁致しましたが、進学・就職ともに数値が低すぎますね。偏差値の低い学校とはお見受けしないので、妙ですね。」

「ひひッ、そりゃ資金なんか集まるわけないよね〜。」

3妖は口々に状況を揶揄した。

学校長はもっと顔を青くしながら、3妖の前に膝をついた。


「どうか……どうかこの学校を助けていただきたい!!!!」

床に頭を擦り付ける学校長に、3妖は頷いた。

「ええ、もちろん。」

「ここに来た時点で答えは決まっています。」

「まぁ、少ない予算からあれだけはたき出したんだから、いいんじゃない?」

3妖の反応に、学校長は目を潤ませてもう一度床に頭をつけた。

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