第21話 グランドマトン
「ジェイド! 追っ手が!!」
「はい、はい。 分かってますって!!」
ジェイドがリムジンのアクセルを吹かすと、特別仕様のロールスロイス製ガスタービンエンジンが咆哮して、レーシングカー並に急加速しながら、近くの高速道路へと向かう。
ジェット加速式インライン車輪で追って来るオートマトン達が、M249 MINIMIの5.56mm SS-109弾で攻撃して来る。
「ババババババッ!」
「キィ~ン! キィ~ン!」
オートマトンの5.56mm SS-109弾が当たっても、物ともせずに跳ね返す防弾リムジン。
「ハハハハハ! どうだ、キラ? 元我が軍の装甲リムジンは!?」
「ジェイド、自慢してないで! ちゃんとハンドル握って!!」
だがオートマトンに装備された回転連発式40mmグレネードランチャーのH.E.成形炸薬対装甲弾頭が次々とリムジンを襲う。
「ドォ~ン! ドォオ~ン!」
H.E.弾の直撃をかろうじて避けながらも、その爆風で右に、左に、振り回されるリムジン。
「ちょっとジェイド! しっかり運転してよ! どこで運転習ったの?」
「アリゾナだよ、悪いか?」
「このド田舎者! 奈々、これ、借りるわよ!」
ワタシの使っていた百四年式拳銃を手に取ると、サンルーフから乗り出してオートマトンに発砲するキラ。
一体、また一体となぎ倒すが、次から次へと現れるオートマトン達。
「チッ! これじゃキリが無い! 我問さん、あのロボット達の弱点は!?」
「ヤツらの足の・・・、ジェットノズルを狙って下さい・・・」
「足のジェットノズルね? 分かった!」
キラは敵の動きを読みながら百四年式自動拳銃の照準を慎重に合わせ、発砲する。
「ドンッ!」
.50inch加速サボット式弾頭はオートマトンの足に命中し、ジェットパックからチューブでつながっていた足のバーニア(姿勢制御ノズル)が破られて激しく火を噴く。
先頭のオートマトンがバランスを失い、不規則に回転すると、後続を巻き込んでドミノ倒しに倒れるオートマトン達。
「ひゅぅ! イカす銃ね! ちょっとリコイルきついけど」
と、その時!
「バラバラバラバラッ!!」
今度は空中から数機の垂直離着陸機、XCV-22GMオスプレイ改が飛来し、
ティルトローターを上に向けてホバリング体勢に入ると、後部ハッチからワイヤーでラペリングしながら、次々と大型のグランドマトン達が降下してくる。
片足に4本づつ付いた車輪をジェットパックでハイスピード加速し、リムジンを追って来るグランドマトン達。
それを見ていたキラが、
「何? 空から新手が!! しかも大型で多数のロボット!!」
一番先に降下したグランドマトンに百四式自動拳銃で発砲するキラ。
弾丸はグランドマトンの胸に命中し、激しい火柱が立つ。
「やったぁ! っと・・・、あれれ?」
着弾点の煙が収まると、ややダメージを受けた物の平然としているグランドマトン。
するとグランドマトンは小型のオートマトンより大型の、.50BMG ブローニングM2マシンガンで攻撃して来る。
数発がリムジンに当たり、リムジンの装甲が凹む。
「銃まで強力になってる! ジェイド、これじゃリムジンの装甲が持たない!!」
我問さんが、腕の痛みを必死でこらえながら、
「あれはグランドマトン・・・。 こちらの弾道をセンサーで感知し、爆風で弾丸を吹き飛ばす特殊な装甲、アドヴァンスト・リアクティブ・アーマーが装備されています」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
脚注:グランドマトンの設定デザイン。
https://kakuyomu.jp/users/may_2018/news/16816927860066350372
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます