『ダブルマウス人類』

やましん(テンパー)

『ダブルマウス人類』

『これは、フィクションであります。一切、批判的な意図はございませんし、科学的なものではありません。』




 『ホモサピエンスが、進化の途上で、ダブルマウスと、従来型とに分かれたのは、2019年以降の、殺人コロナと呼ばれた、非常に危ないウィルスの登場以降である。


 現在の研究では、この殺人ウィルスも、当初の死亡率は、必ずしも高くはなかったらしい。


 しかし、変異を繰り返す中で、歴史上にも類をみない危険な存在となったと、見られている。


 人類は、布やプラスチックのカヴァーを口に装着していたが、旧暦2030年代前後に、遺伝子に大きな変異が見られるようになる。


 それ以降、内口と、外口に別れた、二重の口を持つ人類が急増して行ったと、見られる。


 これが、自然のものか、それとも、人為的なものかは、判断しかねているが、中央アジアの一部から初期の形態がみられることから、アジア大陸のどこかから、進化したように思われる。


 同時、アジアは、世界に冠する科学力があったとみられているからである。


 これ以降、人類は、ふたつの系統に分化し、ウィルスと闘いながらも、どちらも絶滅はせずに生き延びた。


 そこに、宇宙からやってきた、通称『宇宙ごき』の侵略を受け、『ごき人間』が誕生した。


 このあたりは、比較的、よく、知られていることである。


 もちろん、こうした進化の過程には、かなり、時間がかかったのでは、ある。


 しかし、宇宙は、再び、試練を送り込んだ。


 旧暦、6500年、あの、小惑星『ラー・メン』がやってきたのだ。


 すでに、移住船を作る技術は、宇宙ごきから伝わっていたので、主体となる、ごき人間と、旧人類、新人類や、その支配者である、宇宙ごきと、さらに伝統的な地球ごきや、その他、多種多様な生き物が、『方舟』と呼ばれた5隻の移住船に分かれて、いったん、宇宙に出たのである。


 そこまでは、大方、わかっている。


 しかし、その後、人類が地球に帰ったとき、生き残ったのは、たった、一艘の方舟だけで、ノアと呼ばれる船長以下、乗員は、ホモサピエンスだけだったのは、いかにも、不可思議である。


 このたび、謎の歴史をひもとく手助けを行いたく、これを、書き残す次第である。


 まずは、この、謎の歴史は、わが、地球ごき秘密結社『黒の絆』だけが、伝えているものである。』


 


ねこママ


『やましんさん、いかが。このほど、地中深くから、掘り出された文書を、人間語に翻訳したにゃんこ。一冊、特別価格、2000ドリムにゃん。買わない手はないにゃん。』




やましんさん


『いらない。だって、これ、僕が書いたんだもの。幸子さんにだけ、コピーしたのにな。だいたい、まだ、続きもできてないし。』



ねこママ


『にゃんこ❗』

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