第8話 騙されたふり



 数日後、成分調査が終わった。


 ドラインが渡したのは毒薬だった。


 ピネスが渡したものも、同じく。


 これで、彼等は黒だと判明した。


 心置きなく、やり返す事ができる。


 けれど、少し胸が痛んだのはなぜだろう。


 瞳が潤んだのは、何かの間違いだ。


 私は、最後の仕上げを行う事にした。


 私はドラインの言う通り、睡眠薬(らしきもの)を持って、一人の騎士に近づく。


 そして、毒薬を盛られた(という事にした)彼は倒れた。


 私の手に寄って殺害。

 された事にしといたのだ。


 暗殺対象となっていた騎士には、演技をお願いして、しばらく表舞台から姿を隠してもらう事にした。


 私は牢屋に入れられてしまうけれど、しばらくの辛抱。


 じきに、黒幕である彼らが尻尾を出すはずだから。


 そして、運命の日が来た。


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