第65話 修行は厳しいのが当たり前
「それは本当ですか?」
「はい。こちらがリーン様がゼロ様に課された修行だと伺っております」
......師匠これはいきなり難易度が高めじゃないですか!?
いきなりこんなシーンで申し訳ない。スキルも習得し終わったので教会に来たわけだが、そこで師匠からの修行の内容を聞いたところだ。だが、修行内容がきつすぎることに絶望しそうになっている。
確かに修行は厳しくなるとは聞いていたがまさかこれほどとは思わなかった。
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修行内容
ロックタートル、バーストロック、マッドゴーレム、ロックゴーレム、ブロンズゴーレム、アイアンゴーレム、スケルトン、潜りモグラの魔石をそれぞれ10個ずつ教会に寄付すること。ただし、全て一人で倒した魔物の魔石のみ受け付ける
追伸
思ったより早かったじゃないですか。これならこの修行も簡単に終わるでしょう。次の街にも修行の内容を伝えておいたから励みなさい
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これが修行か。魔物と戦うのは想定内だったが魔石を要求されるとはな。検証班からの情報だが魔石は魔物がドロップするアイテムで一番確率が低いと教えてもらった。ちなみに100体討伐して魔石が3個出るか出ないかという確率のようだ。
それが10個ずつとはナイトメアモードまっしぐらだ。それに魔物の種類も多いしな。......これなんて無理ゲー?
はぁ、文句を言っても仕方がない。それに別にこの修行を受けなくてもいいのだ。ただし師匠から破門されるおまけ付きだがな。
そんなことを考える暇があれば行動に移すべき。っということで冒険者ギルドにも行って、ついでに依頼を受けていこう。修行と討伐依頼を同時にこなせれば一石二鳥だ。
・・・
・・
・
この街の冒険者ギルドのすぐ隣には生産職ギルドが隣接している。ここら一体の魔物は戦士系装備の素材となる鉱石や素材をドロップする。そしてドロップしたアイテムがギルドに大量に集まるため、搬送労力も考え隣に建設したのだろう。
「ゼロ様の冒険者ランクですとブロンズゴーレム、アイアンゴーレムの討伐依頼がおすすめですが、ゼロ様は神官とお見受けします。なのでここら辺の魔物はパーティーで討伐するのがいいと思います」
「実はパーティーを組めない事情があるのでソロで行きたいのですが」
ギルドにて討伐依頼を受けようとしたが受付嬢がこの街周辺の魔物は防御力が高いから神官一人ではなくパーティーを組んで依頼を受けたほうがいいと忠告してくれている。
私もできたらそうしたいが師匠から1人でやらなければいけないと条件を付けられているからソロでいかなければいけないのだ。
それに、この修行はソロでも十分達成できると踏んでいる。魔石を集めるのは非常に、非常に大変だが魔物自体は時間はかかっても死に戻りせずに倒せるだろうからな。
もしそれでも厳しそうだったらイーコスウルフを周回することにする。ここに来た時に見つけたがこの街にはイーコスウルフの討伐依頼があった。なんでここにあって始まりの街にないのか意味が分からんが手詰まりになったら有効活用させてもらおう。多少はレベルが上がってくれるだろうからな。
「......そうですか。それでしたらロックタートル、潜りモグラの討伐依頼がおすすめです。どちらもランクFの魔物で、始まりの街周辺の魔物よりレベルが高いですが周辺の魔物の中で唯一状態異常になる魔物なので神官職でもなんとか一人で倒せると思います。
神官職なら簡単に倒せるスケルトンも鉱山に存在していますがこちらは数十体の群れを成して行動することが多いのでやはりソロでは厳しいかと」
「なるほど。ですが、潜りモグラはロックタートルとは真反対にいるので行き来が大変ですね。バーストロックの討伐はソロでは難しいですか?」
そうなのだ。ロックタートルとバーストロックは東側に、潜りモグラ、スケルトンは西側にある鉱山の中に生息している。効率を考えるなら1か所に固定して狩りをした方がいい。しかし、それは勝てるならの話であり、勝てないようでは意味がないのだが。
「バーストロックですか......。あの魔物は衝撃を食らうと自爆する性質があるので一撃で倒さなければいけません。それにランクEとロックタートルよりも討伐ランクが高いのでソロで討伐するのは大変だと思いますよ。あ、でもバーストロックは状態異常は効きませんがしっかりデバフは効くのでもしかすると倒せるかもしれません」
ほう、それはいいことを聞いた。状態異常が効かないと聞いていたからてっきりデバフも効かないものだと思っていた。だが、バーストロックはイーコスウルフと同じランクEだから油断はできない。
「それではロックタートルとバーストロックの討伐依頼ですね。バーストロックは自爆すると討伐数にはカウントされないのでご注意してください」
それは死活問題だな。自爆したら魔石も手に入らないだろうし確実に一撃で仕留めなければいけないのか。まあ、〈鎧砕き〉もあることだし不可能ではないはずだ。
さてさて、今回習得したスキルはどれ程の効果を発揮してくれるのかな?
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