第44話 マグバースの地理と〈世界を求めて〉 その3
今度は中央大陸の国家について説明したいと思う。
最初にも言った通り中央大陸には5つの国がある。それぞれの立地としてフィクト中央王国を大陸の中心として東にプロフト技術帝国、西にコマール連合国、南にマギルク魔術王国、北にリジョル宗教国だ。
中央王国は始まりの街を含めて全部で5つの街からできている。始まりの街、鉱山の街、森林の街、迷宮の街、そして王都だ。
現状分かっている情報だと始まりの街は最初にプレイヤーが降り立つ場所であり、周辺の魔物も弱いAWOのチュートリアル的な位置にある。
鉱山の街はその名の通り近くに鉱山があって装備や防具の生産が盛んな街だ。始まりの街の次にある街と言うこともあって前衛職の多くはこの街についてから装備を新調するプレイヤーが殆どだろう。
森林の街はその近くに魔の森という広大な魔物の生息地域がある。しかし、隣接している範囲が魔の森の麓であるため出現する魔物が魔の森の中腹や山頂より弱い。そのため比較的簡単に木材や薬草などを入手することができる街だ。
迷宮の街は世界に7つしかないとされている塔型のダンジョンを中心に栄える街だ。その塔型のダンジョンは推定階層500階以上とされており、未だに制覇されておらず、各国からダンジョンを制覇しようとする冒険者が集まっている。そのため毎日がお祭りのように賑わっているらしい。
最後の王都だが王都には他国に行くための魔道艇が存在する。中央王国は国が周りを山脈に囲われているので魔道艇でのみ他国へ移動することが可能だ。さらに王都と言うこともあり、他の街にはない建物があるみたいだ。
技術帝国はドワーフと普人が多く住んでおり、技術が栄えている国だ。
また、防具や武器もその多くが業物でわざわざ遠方から足を運ぶものがいるほど高品質のものがあるようだ。それだけでなく裁縫、錬金、調薬などの全ての生産技術が他国より高いことも特徴の1つとして挙げられる。
それに技術力が高いと言うだけあり、国中に列車が通っている。
AWOは街ごとに移転門などがないため移動時間が長くなるのでこの国だけは特別だ。
もしかしたら、私たちも武器などを揃えに技術帝国に向かうことがあるかもしれないがドガンさんや、ミサキさんといった生産職の人たちはここがクランの拠点になるだろう。
連合国は多くの小国からなる国で、その多くが商業で成り立っている。
また、広大な平地が多いと言うこともあって作物の収穫量では他国を上回る。よってその土地柄、農夫や料理人、商人が多いことが特徴だ。
さらには年に1度、大陸最大級のオークションが開かれ他国、他大陸の王族までもが訪れる。
過去には何百億バースという値段でスキルの書や武器が落札されたみたいだ。
今の私たちでは到底届かないがオークションは見ているだけでも面白いからな。もし、武器とかが出品されるようだったら私も全財産を賭けてでも参加したい。
強力な武器が欲しいのだ。βの時から神官職の武器種は良いのが出回っていないからな。
魔術王国は王都の周りにある学術都市がそれぞれの基本属性魔術について研究している研究都市でもある。
ちなみに基本属性魔術とは光・闇属性を除く火・風・土・雷・水・無属性の6属性の魔術のことを言う。
この国は魔術のスペシャリストである六賢人と言う魔術の英知を極めた賢者がそれぞれの都市を運営している。そのため、研究都市は1つの属性について深く研究するため満遍なく魔術を学ぶには王都の魔術学園が推奨されている。
私たちが行くとしたらロードの用事の時だけだろう。
この先ロードは全種類の属性魔術を習得するだろうし、この国でしか習得できないスキルや魔術があるかも知れない。
最後に宗教国だ。宗教国は七神とその主神である大神を崇める国でトップに教皇がその下に枢機卿、総大司教と主に神官職の人間が多い。
また、神官職が多いということもあり、国の至る所にある教会では無料で傷を癒してもらえるようだ。これは私たちにも恩恵があり、それがデスペナルティの軽減だ。
デスペナルティが付くとかなりの時間、狩りに行くのが難しくなるから非常に有り難い。正直デスペナルティ無しの方が私的には有り難いが流石にそれは難しいか。
これらの情報はβテストの時から世話になっている検証班のリーダーであるキョージュー、通称教授から教えてもらった。
もちろんそれなりの情報料を払うことになったがこれだけの情報を入手していることに驚きだ。
これくらいの情報だったら私でも住民に聞けば集めることもできるだろうが時間が掛かるのだ。それを金を払えば教えてくれる検証班には感謝しなければならない。
何事も情報は大事なのだから。しかし、これらの情報を得たところで結局は他大陸と同じ王都につかなければ始まらないがな。
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