第32話

 私、鈴木は家に帰った。


 結局、あの後、手を出すや出さないの意味は、分からず、誰も私に教えてくれなかった。


 「ただいま」


 「お帰り、上手くいった?」


 ママが、嬉しそうに出迎えてくれた。


 「・・・二人で寝た」


 「本当に?!」


 「うん。・・・けど、本当にこんな方法で良かったの?あんまり、効果がなかった様な気がしたんだけど」


 「・・・もしかして、本当にただ寝ただけ?」


 「えっ?」


 私の不思議そうな顔を見て、ママは察したようで、笑顔で言う。


 「パパ?」


 「うん?」


 「ちょっと、2時間くらい家を出て行ってくれる。私は娘を教育しないといけないから」

 

 「はい。すぐ出て行きます!」


 何故か、ママがパパを家から追い出した。

 私は、この後、母の性教育を受けて、絶句することになるとは思ってもいなかった。

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