橋本さんはストーカー

ステスタ

私の王子様

 新社会人。

 今までの学生生活から、がらりと生活が変わる。

 働くという事に責任が出来る。

 それはアルバイトの時よりも重たく、つらくのしかかる。

 その責任を背負って、人は生きている。 

 だが、私は背負う事が出来なかった。

 初めて入った会社で、責任の重たさに潰されそうになった。


 「そう、くよくよするなよ」


 「・・・すいません。私が発注数をミスしたばかりに、教育担当の先輩まで」


 「いいや、教育不足の俺の責任だ」


 先輩はとても優しかった。

 上司や同僚は皆、私の責任と責め続けるのに、先輩だけは私を励まし、庇ってくれた。

 この時から、先輩は私の王子様と感じるようになった。

 

 「じゃあ、俺そろそろ、帰るからな。今日はなんだ」

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