春になったらまたあの砂浜に
明智こたろう
プロローグ
木が葉を失った、そして空気が刺す始めた。
もうすぐこ人生の十七年目の冬だった。
確かに青春の満載だったはずだが。
春の事考える余裕なんてなかった。
冬になるとつい死の事考えちゃう。
当然、木が裸になると若干不気味さを感じるけど特に印象的はその虚無感だ。
公園やビーチや、普通なら人でいっぱいとこは寒くなるほど荒涼になる。
べつに冬が嫌いとかじゃなくて。
強いて言えば、むしろ快適だった。
普通なら。
この冬が違った。
たった一ヶ月後で受験を受ける僕の心が別の意味で死の影に握られてた。
泣いても笑っても二月までに運命が決められる。
そして春になったら知らない世界に入る。
高校生の自分が死んで、大学生の自分か浪人の自分もしくは想像出来ない自分に変わる。
その理屈で高校生の自分が生まれた前にもういくつくの自分が死んでたと言っても良い。
それは間違い無いけど、この死が今までの死と呉れべられないぐらい重要だと......少なくともそう感じてた。
その違いが何だと聞いたら、変化の程度だと思う。
次の僕が今までと全然違う世界に生まれる。
当然、不安でしか無かった。
人が必然の死と向き合ったら、たとえそれが比喩的だとしても恐怖と囚われ落ち着けられなくなる。
生きてる物として、誰一人も本当の意味で死んだ体験は無い。
それに関して、専門家なんて誰も居なかった。
死に詳しい人、なんならどんな生物でも存在しなかった。
対処出来るように出来て無いと言っても良い。
だから向き合ったら壊れるしか無い。
今の僕の精神状態がそも証拠だ。
どんどん迫って来る受験、卒業、そして予想付かない将来の前で元々暗い性格を持つ僕が更に不安の塊になった。
不快な不明の前に、人間は今まで愛していなかったおなじみの物をいきなり大事に思える。
今までの高校生活を、理想的じゃなかったとは言え、失いたくなくるようになりつつ変わらなく周りから孤立し続けた。
自分の性格がすっかり矛盾になるほど歪んでたと分かっていた。
僕の悩みにもかかわらず、その冬で本物の死と向き合う事になった。
比喩とかじゃなくて。
この世で死という真実を向き合わせられた事だけだ。
高校生活の自分の人生の最後の冬の話だ。
そして心が死の影に握られていた彼女が僕に生を教えた話でもある。
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