第201話 メンバー募集

 結局、3軒目のレストランでお二人がダウンしてしまった。


「うぷっ! も、もう無理でふ...」


「こ、これ以上食えまへん...」


「しょうがないですね~ ペース配分を考えないからですよ~」


「そ、そう言われましても...」


「め、目の前にあると食べちゃいますよ~...」


 まぁ仕方ない。このくらいで勘弁してあげよう。


「じゃあ帰りましょうか」


 私達はパーティーホームであるシェアハウスに久し振りの帰還を果たすことになった。



◇◇◇



「ふあ~ やっぱり我が家は落ち着きますね~」


「なんだか随分長いこと留守にしてた気がしますね~」


 早速お二人がグデ~ッとしているのを尻目に、私は紙とペンを取り出しスラスラと書いて行く。


「カリナさん、なに書いてるんですか?」


「メンバー募集の張り紙ですよ。良し、出来た。こんなもんでどうです?」


「どれどれ...」


『パーティーメンバー募集! 

 パーティー名:エリアーズ

 我がエリアーズでは現在、女性剣士一名、女性魔道士一名を募集しております! 厚待遇を保証します! 要面談です! アットホームな職場です!

 皆様、奮ってご参加下さい!』


「...いや、最後の文章は要らないんじゃ...」


「...これだとパーティーというのを勘違いしそうな気が...」


「...それとアットホームな職場っていう表現の仕方が...」


「...どこのブラック企業なんだって話ですよね...」


「あぁ、そっかそっか。なるほどなるほど。この書き方だと、パーティーはパーティーでもどんちゃん騒ぎをするようなパーティーだと思われちゃいますかね。じゃあ最後の文は消しましょう」


 アットホーム云々は聞かなかったことにしてサラッと流した。良し、こんなもんかな。


「早速明日にでも冒険者ギルドの掲示板に張り出しましょうか」


「「 ...... 」」


「ん!? どうしました!?」


「いえその...どんなメンツが集まるのか不安でして...」


「嫌味な人が来ないといいんですが...」


 あぁ、なるほど。お二人は前のパーティーを追放されたんだもんね。その気持ちは良く分かる。


「大丈夫ですよ。そこら辺は面談をキッチリやって、どういう人格の人かちゃんと見極めてから、メンバー入りさせるかどうか決めましょうよ」


「そうですね...」


「分かりました...」



◇◇◇



 そして次の日。


 冒険者ギルドに着いた私達が掲示板に張り紙を貼ろうとしていると、


「あぁ、エリアーズの方々、お待ちしておりました。今、ご連絡しようと思っていた所なんですよ。例の魔石の買取金額が用意できましたのでこちらにおいで下さい」


 この間の受付嬢さんに呼び止められた。


「分かりました。この張り紙を掲示板に貼ったら伺います」


 私達は受付嬢さんに案内されて別室に通された。

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