第195話 久しぶりの

「えぇっ!? ほ、ホントですか!?」


 ステラさんが飛んで来た。


「ほ、ホントだ...び、ビクともしない...」


「どうなっているんですかね?」


「どうなっているんでしょう...」


 ステラさんでも分からないか...これは困ったぞ...せっかくフロアボスを倒したってのに、この部屋から出れないんじゃあ意味ないじゃん...


 そうだ! セリカさんの瞬間移動なら!? さっきはダメだったけど、フロアボスを倒した今ならイケるかも知れないよね!


「お~い! セリカさ~ん!」


「お~い! お二人とも~!」


 すると見事に呼び掛けが被った。セリカさんは祭壇らしき物があった辺りに居る。


「セリカさ~ん、どうしました~?」


「ここに魔法陣があってなんか光ってます~!」


 私とステラさんは顔を見合わせ、急いでセリカさんの元に駆け付けた。


「これは...転位魔法陣ですね」


「あぁ、どこぞの階層にあったヤツと同じですか」


「ということは、これでボス部屋から出られるんでしょうか?」


「だと思います。乗ってみましょう」


 私達は魔法陣の上に乗った。すると魔法陣は一際大きく光った。眩しくて思わず目を瞑り、再び目を開けた時には...


「えっ!? ここってダンジョンの入口!?」


「どうやら地上へ出るための魔法陣だったみたいですね」


「うわぁ! お日様の光、久し振りです~!」


 ダンジョンの攻略は一先ずここまでか。死に掛けたりしたり色々と苦労もしたけど、結果だけ見れば案外楽しかったな。


 今度はもっと準備を万端に整えてから、挑戦してみるのもいいかも知れないな。私はそんなことを思っていた。


「ではいったん戻りましょうか」


「はい、ちょっと脱いで着ますね」


 そう言ってステラさんが物陰に移動する。


「じゃあセリカさんは亜空間に」


「あ、は~い」


 私はセリカさんを亜空間に送った。やがて、


「クエッ!」


 鳥になったステラさんが出て来たので、背に跨がり王都へと戻った。



◇◇◇



 王都に着いた私達は、その足で冒険者ギルドに向かった。


「楽しみですね。今回の遠征がどれくらいの稼ぎになるか」


「恐らくですが、とんでもない金額になると思いますよ?」


「そうなったら凄いですね!」


 私達はワクワクしながらギルドの中に入った。


「えぇっ!? 単独のパーティーで10階層のフロアボスを倒したんですか!?」


 ギルドの受付嬢さんが私達の報告を聞いて驚愕する。


「セリカさん?」


「はいは~い」


 セリカさんが巨大モグラの魔石を取り出して見せる。


「す、凄い大きさ...た、確かにこれは間違いない...あ、あの、ちょっとお待ち下さい!」


 そう言うなり受付嬢さんは奥に引っ込んでしまった。

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