第150話 パーティーリーダー
「「 す、すいません! 調子に乗りました! 」」
「じゃあいったん帰るってことでいいですね?」
「「 Yes,Ma'am! 」」
なんか急に素直になったな。最初っからそうしとけよって思うけど、まぁ仕方ない。勘弁してあげよう。
取り敢えず冒険者ギルドに戻ることにした。
◇◇◇
「やっぱり依頼は無いですねぇ」
「じゃあ換金してパーティーホームに戻りましょう」
「「 は~い! 」」
その時だった。
「あれ? ステラじゃん?」
「あ、ホントだ。まだ冒険者やってたんだ? 役立たずなのに。キャハ♪」
「まぁまぁ、きっと役立たずなりに使い道があるんだよ」
「「「 キャハハハ♪ 」」」
どうやらステラさんを捨てたパーティーの連中らしい。女の三人組だ。下品な笑い声を上げている。不快感しか感じない。セリカさんも顔を顰めた。
「ミランダ...あんた達、王都を離れたんじゃなかったの?」
「戻って来たのさ。悪い?」
「別に...あんた達のことなんてどうでもいいよ...私のことも放っておいてくれる?」
「いやぁ、どうやらあんたも新しい仲間が出来たみたいだからさ、昔の仲間としてあんたがどれだけ使えないか、アドバイスしてあげようと思ってね」
「それこそ大きなお世話ですよ。私の仲間をバカにするのもいい加減にして下さい。ステラさん、セリカさん、行きましょう」
下卑た嗤いを浮かべる、ステラさんの昔の仲間だというミランダという人があまりにも不快だった為、堪らず私は口を挟んだ。
さっさとこの場を離れたかったからだ。だがミランダは、
「まぁまぁ、待ちなって。人のアドバイスはちゃんと聞いとくもんだよ? じゃないと後で後悔することになるよ?」
そう言って私の肩を掴んで来た。しつこいな!
頭に来た私はすかさず亜空間に潜り込み、ミランダの後ろに回って首元にレイピアを突き付けた。
「大きなお世話だって言ってんです。口で言っても分かりませんか?」
「ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ!」
ミランダが情け無い悲鳴を上げる。フンッ! 口程にもない。
「ステラさん、セリカさん、行きましょう」
ミランダとその仲間達が呆然としている中、私は二人の手を引いてこの場を後にした。
◇◇◇
「カリナさん! カッコ良かったです!」
セリカさんが目をウルウルさせている。いやぁ、それ程でも~
「カリナさん、ありがとうございました! ビシッと言って貰えて嬉しかったです!」
ステラさんはちょっと涙目になってる。
「気にしないで下さい。パーティーリーダーとして当然のことをしたまでです」
「「 ウチのリーダー最高! 」」
いやぁ、照れちゃうな~
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