第25話 王家の家族事情
その後、アクセル様から他の王族の皆さんの簡単な説明を受けた。
「まずは俺の父親、アレクセイ陛下だが、先に言ったように病に伏せっていてここには居ない。離宮で静養している。その内にカリナの紹介も兼ねて見舞いにでも行こう」
「分かりました」
「次に俺の母親、イザベラ王妃だが、陛下の付き添いでこちらも離宮に滞在している。つまり国王と王妃が王宮を離れている状態という訳だ」
「それは...」
ヤバいんじゃないの!? この国...
「次に俺の義兄、1歳違いのアッシュ第1王子だが、これも先に言ったように俺とは折り合いが悪い。兄上の母親、第1側妃ともどもな。ちなみに彼女は後宮で軟禁状態にある。1歩も外には出られない」
「それはまた何故?」
「俺を暗殺しようと企てたからだ」
「......」
うん、なんかもうね...言葉が出ないんだわ...
「本来なら即処刑になる所なんだが、兄上が庇ってな。仕方ないから後宮に閉じ込めるということで妥協した」
「妥協して良いものなのでしょうか...」
良くない気がする...閉じ込めても後からまた騒ぎを起こしそうじゃない?
「その分、兄上に俺の公務を半分押し付けた。いけ好かないヤツだが、事務処理能力には長けているんでな。良い取り引きだったと思う。なにせ国王と王妃の分の仕事がこっちに回って来て、寝る暇も無いくらい忙しかったからな。正直助かった」
やっぱこの王子様、腹が黒いわ...自分の暗殺未遂まで政治に利用するなんて...
「次に俺の2人の義妹、第1王女のカーラと第2王女のミランダだが、それぞれ第2側妃と第3側妃の子供で2人とも今年で8歳になる。産まれた順番が早いカーラが姉という訳だ。2人とも離宮で暮らしている。ちなみに第2側妃と第3側妃との仲は最悪で、しょっちゅう足の引っ張り合いをしている。当然、カーラとミランダの仲も悪い。俺との関係は良くもなく悪くもないと言った所か。あぁ、兄上は2人に嫌われているって話だ。簡単だが以上だ。何か感想は?」
「その...なんて言ったらいいものやら...」
「正直に言っていいんだぞ? 汚水の中に更に泥水を流し込んだような、ドロドロした人間関係だって。なにせ兄弟姉妹全員、母親が違うんだからな。有り得ないだろ? これというのも好色な父親が見境なしに種をバラ撒いた結果で、残された俺達はそのツケを払わされることになるって訳だ。悲劇を通り越していっそ笑えて来ないか?」
私はとても笑えなかった...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます