【詩】毛

 熱い湯から出した腕を、湯船の淵に置く。

 火照った肌を片目で眺める。


 濡れた肌色の大地に、上を向く黒い木々。

 長さはまばら。

 濃さもまばら。


 一本走ったみみず腫れ。

 親指の爪より短く、小指の爪より長い。


 乾いた大地に水滴を落としてみる。

 白く光る。

 水が合わさる。

 大地が潤う。

 木々が喜ぶ。


2024.12.5

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