地球の最後の神話

@I-Nameless

地球の最後の神話

西暦と数えるのを忘れ早数千年、

人間達は宇宙へ旅立った。

人間が増えすぎたから?環境に問題が遭ったから?

何でか分からないが人間達は宇宙に上がった、

其から人間達の同じ理由で故郷の星を離れ宇宙に上がった宇宙人達が居た。

そんな彼らと出会い睨み会い仲良くなり騙し会い手を差しのべて、

可能性を広げた結果。

広げすぎた結果、

子の数が減って意欲が減って衰退が始まり終わりが始まった。

残った人間達は何とか自分達の種の存続を優先挿せる為の組織を結成していた、

『人類種保護委員会』

その1人は最後の計画、

『A&E計画』を発動した、

地球のとある場所。

赤道の真ん中日付変更線の中間、

其処は聖母の島と呼ばれた、

「…今日もまた僕は掃除している」

人口40万の聖母の島で立ち入る者がそうそう居ない、茨の城で掃除をしている、

城に居るモノ達の名は皆『トード』と呼ばれてた見た目は男の子だったり女の子だったりとしているが皆はトードと呼んでいた。

此所の城主様はこの城を去る前に指示された事、

『この城を掃除しなさい』

と何時かはこの城にでは無く、

この城の維持にはナノマシンで支えてるが埃に弱い。

正確には埃を糧に増殖する細菌、

自己再生と自己増殖するナノマシンにも影響が出かねない、

一歩間違ったら自己進化を招きかねないからと暫く前のトードがそんな事を言ってた。

その為に僕達は生み出された。

「あーあ、今日も死んじゃたね」

城の窓を覗いていた女の子のトードがそう言ってた、

庭にはバーナーで消し炭にされた侵入者の遺体が転がっていた、

この城は不埒な輩の対策の為色んなトラップが仕掛けて有る、

其は城の庭から中にまで所狭しと仕掛けられてる。

その何れもが対戦車級の破壊力が秘められていて引っ掛かれば確実に即死と言える位の威力を持ってた、

何処に仕掛けられたかは僕達トードは知っているが、トードも例外では無い僕の同じ男の子のトードはローラーのトラップにはまり粉々に成った。

これ等のトラップは殆どが一回限りで一度作動すると壊れて暫くすると作り直される、

ただ何処に有るのかが問題で作り直される度にその場所も変わって来る、

庭で草むしりをしていたトード達は雑草と死体を地下に運んだ、

僕達の身体もナノマシンで出来てるが一寸の傷で簡単に死んで砂に成る、

城の地下には雑草や死体を分解するナノマシンの海が広がり其処で城の維持を行っている、トード達も其処で生まれ清掃道具も其処で作られる、

その材料に雑草や死体を投げ入れた。

「…増えるにはまだ少ないか」

僕はそう嘆いた、

不埒な輩がトラップに引っかかる者もいればトードを排除したものもいた。

トードもそんな簡単には増えないのにだ、

掃除を終えた後寝る習慣の無いトード達は城の外を眺めていた

時間が経って翌日。

「あっ!イザナギ港に船が去ったよ」

暫く前にイザナギ港と呼ばれた港から船が来た、

その船は暫く停泊して今日去ったと言う。

イザナギ港は東側の港の名前で西側の港の名前はイザナミ港と名付けられた。

「執務室のトラップにはまったあの人の情けない顔中々忘れられないね~」

女の子のトードがそう微笑んだ、

執務室の机に迷い無く走りそのまま沈み亡くなられた。

「おいっ誰か来た見たいだぞ!」

庭に居たトードの1人が誰かを発見した、

茨の城に行くには船か飛行機意外に行くには聖母の双丘の間に進まないと行けない双丘の山頂に昇るのは容易では無いからだ。

「こんにちは~」

「あの何方で?」

「私は商人と申しまして。お金や服は色々有りますから貴方方の掃除道具を貰おうと思いまして」

トードの1人が商人と直談判をしてトードの掃除道具の幾つかを商人に渡すと商人はお金を沢山とお洋服を数着置いて去った。

トード達が皆同じ格好から何かを思って洋服まで用意をしていた、

だけどもお金や洋服をトード達は使う事も着る事も無い、

全部地下のナノマシンの海に投げ入れて消失した、

昼前、トードの1人がある部屋に入った、

ナノマシンの保護を目的に清掃を行う為全てのトードは総ての部屋のロックを外せる権限が有る、有る部屋の扉だけは人間には開かない様に出来てて外すには城の何処かに有る鍵が無いと駄目らしく、

その鍵も万が一としてナノマシンの海で複製出来る様に成ってる、

その部屋がこの城の秘宝『地球の最後の神話』

命の責任を背負える者だけが得られるモノ、

カプセル中には正真正銘の最後の地球産まれの男女の赤子、

アダムとイヴ

其が秘宝の『地球の最後の神話』の正体なのだ。

地下、

ナノマシンの海から新たな仲間達が続々と出てきた。

古い方のトード達は此からの事を教えないと行けない。

夜、

聖母の島から聖母の城側の海に光る何かが見えた、島の人達は『聖母の涙』

とした、

多くは知らないがその実態はナノマシンの寿命に殺害されて砂と成ったトード達の砂、

何時の日にか『地球の最後の神話』が始まるその日を。

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