『極楽温泉』その弐
やましん(テンパー)
『極楽温泉』その弐
しかし、ねこママの立ち直りは、驚異的である。
ねこママ
『やましんさん、先般は、ちょっと、失敗したにゃん。今回は、ばっちりにゃんこ。』
やましんさん
『ママ、また、新事業かい?』、
ねこママ
『にゃんこ。再び、温泉事業にゃん。でも、今回は、確実にゃん。なにしろ、あの、『不思議が池の幸子さん』を通して、やましんさん、おなじみの、『音楽溢れる地獄』として最近名高い、『優しさと癒しの地獄』と契約して、『地獄ツアー二泊三日の旅』にゃん。あそこの、旅行者用温泉は、最高にゃん。なんせ、釜茹で地獄で責められる、かつての、独裁者などを眺めながら、ゆったりと。温泉カクテルもあり。』
やましんさん
『ママ、そりゃあ。だめだよ。いくら、国民を釜茹でしたり、ガス風呂に入れたやつでも、拷問なんかは、見たくないものだよ。』
ねこママ
『まあ、やましんさんは、優しいからにゃん。でも、一般大衆は、血なまぐさいリンチがお好きにゃん。ローマの時代から、そうにゃん。つるし上げになる悪人を、大衆は求めるにゃんこ。』
やましんさん
『ぼくは、感心しないなあ。まあ、ヘレナさんは、『明るく開かれた地獄へ』をスローガンに、自分の地獄改革に励んでいるのは知ってるし、ぼくは、なぜか、フリーパスをもらってるけど、使ったこともない。』
ねこママ
『幸子さんが、やましんさんと、行くって、言ってたにゃん。』
やましんさん
『いつも、そうなんだ。なんだか、講演会してくれとか、フルート吹くボランティアとか、いろいろ、依頼は来るけどさあ。ママ、ずたずた、ぎたぎたになった、仲間を見たいと思う?』
ねこママ
『にゃん。珍しく、説得力のあるこというにゃん。でも、日本のお寺にも、地獄図絵とか、地獄巡りとか、作ってるところがあるにゃん。タイには、すっごく、恐いお寺もある。その、本物なわなけ、にゃん。きっと、犯罪防止になるにゃん。』
やましんさん
『まあ、たしかに、そういう効果がないとは、言わないけど、他人の不幸を、楽しみたくないよ。まあ、事業としては、たぶん、うまくゆくかも。』
やましんさんは、ツアーには、参加しませんでしたが、刻々と、自身の本番が、近くになりつつありました。
・・・・・・・・・ 🌋🌋🌋
『極楽温泉』その弐 やましん(テンパー) @yamashin-2
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます