第13話 ギシン

 兵器?

 そういえば、さっきそんな話を少ししたな。

 兵器が何かは知ってるかい?

 ああ、戦車か。

 確かにあれも凄いが、あの大陸アンセス大陸では使い物にはならなかった。何しろ人類最大の未開の地だ。人が造ったものがまともに進めるような道がない。一番頼りになったのは、足だけだった。

 察しがいいな。

 その兵器にも、足が付いていたんだ。

 確か名前は、ギシン戯神と言ったかな。

 あれは乗るものというより、身につけるものといった方が正しいかもしれない。そのギシン戯神は、言うなれば機械でできた巨人だった。と言っても、そこまで大きくはない。せいぜいそこの倒れかかってる電柱の半分程度だ。

 搭乗者は胴体の中に入る。

 椅子とかはない。動かしか方も面白くてな。その中に入って自分の身体を動かすと、ギシン戯神も同じ動きをするんだそうだ。

 タージュが最初に乗った時の感想は、よく覚えているよ。

 自分がでかくなったというより、手足や首が伸びたような不思議な感覚だったそうだ。

 君も乗りたくなったか?

 それは、残念だったな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る