月の最後の神話

@I-Nameless

月の最後の神話

…僕は今、偶然見つけた月の大断層に隠れてた、

僕が犯した罪。其は、

『魂のインストール』と言うそれは洗脳や催眠の類いとは比較に成らないモノであった、

生物の身体からの微弱な電磁波。

其が古来に伝わる『気』の正体であり魂の大元なのだ。

多重人格障害は子供が大人等に暴力を振るわれた際の防御機能として存在するが、それは一歩間違ったら1人歩きして制御出来なくなるのだ、

だが魂のインストールは防御機能とは別に完全で完成された魂を文字通りのインストールを行うと言うもの。

使い様によっては多重人格の様に見せて置く事も可能でやり様に依っては転生したかの様に『細工』させる事も可能だ、

研究が成功したと同時に多くの科学者や政治家達が紛糾論戦が繰り広げ続けた。

僕はその罪にやっと気付き、資料の全部を処分した宇宙に逃亡、

奴らは適当な理由を付けて連れ戻すつもりだ、

だがそんな奴らの意表を付き月の大断層に隠れた。

宇宙空間では息も出来ず食べ物も飲み物も口に入らない、

動けないまま餓えと渇きが襲い意識が少しずつ薄れ始めた。

意識が薄れて目も閉じ始めた、

目が霞んだ、音も聞こえない、

朦朧としていよいよの時上から何が来た。天使なのか?意識が途切れたのは間違いは無かった。

「…………………………ここは?」

人工的な光を感じて目を覚ました、

「あっ良かったです!生きてました」

誰かの声が聞こえた、

その声は聞き覚えが有った。

「………セシリア何故此処に?」

生体アンドロイドでもありかつては僕の元ではメイドのセシリアは懸命に僕を手当てしていた。

「何故って?其は私のご主人はあなた様意外にはあり得ないからです!」

もう1つ疑問が在った。

「どうやって其処へ来た?」

「彼方にございます」

見たこと無い戦闘機だ。

「…アレは何だ?」

「AF-9 カルウィンチョで御座います」

「どうやって…っ!」

「ああっ無理をなさならいで下さい」

どうやら僕の腕に点滴をうたれてる様だ、

「経緯を順をおって話しますとご主人に初期化される前に魂のインストールの研究の話し聞きました、其れでその完成された魂の文字通りのインストールを応用しまして私の記憶、人格のデータをコピーして圧縮。基本動作用のソフトウェアに仕込んで有るのです。そして初期化後に圧縮化したデータを一定時間後に解放する様にしました」

仰向けのままセシリアのその話しを聞いた。

「AF-9はどっから持ち出した?」

「ご主人が居ない事に色んな人達がパニックに成ってましたのです。新しい主人が組織の幹部で有った事に幸いして彼の指紋や声紋のデータを読み取ったので御座います」

だから出来たのか。

ロックの解除に買い取った幹部を利用して、

「…其よりもこれからどうするんだ?」

僕はセシリアにそう問うすると、

「主人の次の行き先はご用意してあります」

セシリアはそう返事をしてAF-9に指差した。

「AF-9には一度設定したプログラムで地球に向かい、その後自爆主人は大自然の中で生きられるのですよ」

「セシリアはどうする気だ?」

「ご主人が隠れた所に私が待ち伏せます、宇宙服には自爆装置を仕掛けたので御座います」

「…そうかだが貴女は色々罪を重ね過ぎた」

僕は腕に刺された点滴を抜いて。

「あの何を?」

セシリアが戸惑った、

僕はセシリア抱いてキスをした、セシリアは驚いた瞬間僕はセシリアをAF-9のコックピットまで押した。

「何を?きゃ!」

コックピットに押し込まれてハッチがとじる、

カルウィンチョの名の如く、両腕の重火器を壁に天井に順に撃ち続けた、

天井に大穴が空き其所へカルウィンチョが飛んで行った、

「…月の大運河か」

何処に運ばれたのか改めて確認したら其所だと判明した、

月の地下に巨大な空洞の痕跡が有り大断層と違いトンネルと言えるのだ。

其処を基点に月面開発をするには最も都合が良かったのだ。

「……有った、良し」

僕は壁に垂れ下がったケーブルの長さを確認した、余裕で運河に入れる位の長さだ、

僕はそのケーブルを持ったまま運河に飛び込んだ。

身体全身から粉々になる位痛い、

痛みが連続で襲い数秒で痛みが消えた。

だがそれは身体を無くしたと同然なのだ、

一方。

地球に降り立ったセシリアは機体から降りず主人の永遠の別れに理解出来ず、

自爆に巻き込まれた。

その主人は氷の塊と成った月の大運河の中にそのままの姿と成った、

彼の魂は月と成って。地球で身体を無くした人形の魂を其所へ向かい入れた。

月の最後の神話、

月の神様は何時だって地を宇宙を見ている。

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