第2話
(目覚めよ…)
頭の中で声が響く。
(目覚めよ…目覚めよ…)
五月蝿い、もう少し寝かしてくれ、昨日は久しぶりに慣れない肉体労働したせいで身体が痛むんだ。
(そんなことを言っていていいのか?早く目覚めないと損をするぞ…?)
あん?何言ってんだ?
ソシャゲなら昨日引退したからもう毎日のログインボーナスなんか気にしなくて良いんだよ。
(いいのか…?お前は死んで異世界転生を果たしたのだぞ?)
何ィッ⁉︎
ガバァっと起き上がりかぶりを振る。
モヤがかかった白い世界で、目の前にはしゃべる光の球があった。
(おはよう 選ばれし異世界の勇者よ)
突然視界が開け、指輪物語のような牧歌的で石畳が敷かれたでかい水車と風車が回るリアリティ溢れたファンタジー世界が眼前に現れた。
嘘だろ…ここはまさか…
マジか…⁉︎遂に俺の願いが神に通じたのか…⁉︎
もしかして、
俺はこれまでのくだらない現世を捨て、
神から貰ったハイパーチートで全ての属性の魔法を自在に操り幾人もの女奴隷をお供に引き連れ世直しハーレムスローライフの旅に出る今更戻ってきてくれと懇願されてももう遅い!!影の支配者でギルドマスターで闇の魔王で賢者で侯爵で村人で雑魚モンスターで悪役令嬢な無双勇者に転生したってのか!
そんなの…
そんなの…
最っ高じゃ無いですかぁぁあ!!!
(その通りじゃ 流石勇者、話が早い。
褒美としてお前には願うだけで相手を即死させる究極反闇黒魔法と絶対自動完璧防御の神護盾と最強遠隔一撃必殺の神殺剣とどれだけ詰めても満杯になることが無い青狸のアイテムボックスを授けよう
ついでにレベルと運と全ステータスとEX値も上限MAXまで上げておこうか
後は不安だから現地ガイドで地理に詳しい獣耳爆乳ふしだらロリ系純情処女ビッチ美少女メイドも付けておこうかの)
光る球がそう告げると目の前が突然光に包まれ、獣耳爆乳ふしだらロリ系純情処女ビッチ美少女メイドが姿を現した。
サンキュー神様!アンタはなんて気前がいいんだ!!
「初めましてご主人様 私の名前はシスタと申します。」
獣耳爆乳ふしだらロリ系純情処女ビッチ美少女メイドがスカートを摘み、深々と俺に頭を下げる。
うむ、苦しゅうない
今日は転生したばかりだからな、
大事をとってちょこっとそこの宿屋でしっぽり…。
(何を言っている、お前にはこれから為すべきことがあるだろう)
為すべきこと?魔王を倒して異世界制覇のこと?
ちょっと待ってよ、そんなに急がなくっても良いじゃない、イケズだな〜も〜。
(早くしろ、間に合わなくなっても知らんぞ!)
なんで急にベジータ?
間に合わなくなるって何によ?
あれ、ていうか、俺一回死んだんだよな?
何で死んだんだっけ────
ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリッ
けたたましい目覚まし時計の音でベッドから滑り落ちる。
「早く起きろ慶一!早朝のゴミ捨て回収に間に合わなくなるぞ!!」
親父が両手にゴミ袋を持ち慌てて玄関を出てった。
なんだよ、夢オチかよ……
こんな残酷な事ってある?
続く!
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