想い出の地へ・・・

勝利だギューちゃん

第1話 電話

今、僕は列車に乗っている。

地方の海へと向かうローカル線。


ボックス席に腰を下ろし、その地で過ごした時間を思い出していた。


きっかけは、一本の電話だった。

主は、その地で過ごした時間に仲の良かった友達だった。


「久しぶりだね。元気だった?」

その主が誰かを思い出すのに、少しの時間がかかった。

僕は、人の名を覚えるのが苦手だ。


特に異性である、女の子の事は覚えられない。


だが、その主が誰かを思い出すと、記憶が鮮明に蘇ってきた。


そして、想いで話に花が咲く。


「で、どうした?ご機嫌伺いにかけてきたわけではあるまい」

僕の問いに、電話の主の友達が答える。


それまでと違い、えらく真剣になる。


「実はね・・・」


その理由に、僕は驚きを隠せなかった・・・


そして、その地へと向かうために、その日の夜に列車に乗った。

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