墓記銘帳コレデアッテンノカ
ウゴカッタン
ぶちかませドチキ!
「あっはあ!? これが超文明ポソポソタミヤのミリタリージャケッツか!?」
ミリタリージャケッツとはとりあえずミリタリない気持ちの奴らがオークを無理やり武装させて、異世界転生者を圧倒的な脅威のテクノロジーで殺しまくるそんな平気でやることかと思うことを平気でやっちゃう知らぬ存ぜぬザウルスなのだ!
その脅威とおそろしさとクレバリティーにみなが畏れて怖がりおる!
「これで最後だ! ドチキねき! おまえの人生はオークに凌辱!」
「でもトンテキにしてくってやんよ!」
今までナイフさばきでは負けたことが無いためしがある異世界転生者であるドチキは、広東精肉店で毎日のように豚をさばいて臓物新鮮なまま取り出してびちびち言わせてきた疾風怒濤の肉の解体ショーを開いていた!
「うおー近づいたらばらされるぞぉー! 遠くから弾をばら撒いて倒せ!」
だが敵は完全近代戦モードのオークだ! 奴らは銃撃戦に特化した兵装であり、ナイフでの近接戦なんぞさせてもらえるだけ近接できる余裕があるかというと、そこら中に弾幕張られているのだが、いかんせんオークの兵隊は練度がまだ十分では無いのでとりあえず敵に向かって打つことは出来ても狙って的中させるだけの腕前は無いという次第で、要するに下手な鉄砲数うちゃ当たるというのを実戦でやるやつは、補給もないままなら容易に弾薬が尽きておしまいになるし、鉄砲を撃てば撃つほど射角から敵に居場所を悟られる。
「前方に七体、それぞれ塹壕掘りと遮蔽物に隠れている、左方に十二体、茂みに隠れて迷走柄の豚がいる、右方は五体、簡易な砦に機関銃を銃身が焼き付くまで打ち続けたようで、次弾が弱い一番に狙うならそこだ、わかったかよ相棒!」
「いおー! ドチキ! まかせておきなってんだ!」
こいつの名はドブチ! モール族というモグラの中でも巨体を誇る塹壕破壊の最強工兵! どうやってこのオークの弾幕を乗り切るかって!? 「突貫工(とっかんこう)!」 ドブチの穴掘りパワーでそのまま直進し砦の足場を崩して解体した!
「おっぱああーい?! そんな! こんなパワー聞いてな?! ばび!?」
すかさず落ちてきた五体のオークをしこたまナイフで首掻っ捌いて、そこらにあった支柱にロープで吊るして血抜きして、血の一滴たりとも逃さないようにでっけえドラム缶に塩ぶち込んでオークの自重で滴る鮮血を後で血のソーセージにするって算段だ!
「くそ! まさか難攻不落の簡易砦から攻略するなんて! メーデー! 援軍はぁ!? ないのか!?」 ※メーデーとは多分、労働感謝の日のことでありオークには伝令の方法がなんなのかまだ浸透していないようである。
「お前らは焼肉だよ! くらいな!」
ドチキは砦の弾薬庫から奪い取った手榴弾をそこらに転がして爆破爆破爆破!
たちまちオークはいぶりだされた! 「イベリコ豚!? いや、しまったあ!? これはガス弾だ! みんな! 煙に巻かれるな! 敵の数はそんなにいないんだ! 銃を撃つな! 同士討ちになっちまうぞー!?」
とはいってもまともに訓練も受けてないで弾幕張れとだけ言われたオークたちには、煙に映る影は全て敵に見える、さらにドチキがなりたてる! 「ガーチョー!!!!!!!!!」「うあああ! 撃て、撃て! 敵は砦を崩す怪力女だぞ!? とにかく弾幕を張って、撃ち続けて! 倒すしかないっぺっぺなっぱ!?」
その結果、次々と「ちが、おれじゃなバビディ!?」「おっぱおっぱ!? しにまんがなっぺ!?」「血がああ血がああ!?」オークたちは打ち取られていく、同士討ちだ同志よ!
「ははあっはー!? 近代兵はいい装備してるよなああ!? 鉛玉じゃあなくって一級品の弾ときたらああ! 死にたてのオークは全部精肉してやんよー!」
「ひえー!? な、仲間たちが次々と吊るされて、血抜きされて、熟成されて、やばい! 俺たちが生ハムの原木になっちまうー!?」
気づいた時にはもう遅い、ひとりひとりと突然消える。「助けに来たぞ!? うわ!?」「増援が来たと思ったら消えた!? こ、これは!?」ドブチだ、ドブチは落とし穴のプロフェッショナルだ、そんじょそこらの工兵が作る落とし穴とはわけが違う、ようは地面に縦穴掘るんじゃあなくて地中から穴ほって引きずり込む、そのさいの土はどこにいくのかって? これがやべえ、ここら中の土砂ってやつがわりと空気を多く含んでる有機物が豊かなわけよ、つまり掘って踏み固めればそれなりに空間が出来るという算段でがんがんと落とし穴を作った。 腐葉土の穴の中に引きずり込まれる悲壮感あふれうイノブタオークマンたちの悲鳴は「ぴぎゃー!?!」
「はははあ!! さあ降参しろ! 早いとこてめえらの親玉の居所を言わねえと全員、豚まんにしてやんぞ?! ミンチからの豚まんまで一時間も掛からねえ!」
「こ、降参だ! これ以上、部下を傷つけないでくれ! おれの昇進に響く!」
出てきたのはオーク少佐であった。
「ほお? その階級章は少佐だな、ということは近くにオークの将軍格も来てるなぁ!?!」「来てない! 来てません! そんなはずありません! だってオークってみんな練度低いイメージあるじゃないですか! つまりいません!」「でも少佐なんだよなあ?! 練度がないと少佐なんて階級章つけねえよなあ!?」「こんなもの飾りです! 要するにミリオタがつい見た目だけえばりちらしたいから、ちょっとかっこういいのしてみただけなんですよ!」「ドブチぃぃぃぃ!!!」「ホォリィィィィィィ!!!!!!」「うぎょばあああらあばああ!? 下半身が地面に沈み込んで、たちまち首だけ外に出てる私はどうなってるのぉぉぉぉぉ!?!?!」
オーク少佐は首だけ外に出てる状態で、その上に部下が吊るされてやって来た。
「オーク少佐ああ! 無念です! 今すぐオーク御大の居場所を言って、僕を助けてくださーい!」「おまええええ!!?!?? ばかかかあああ?!?!?! 自分の保身のために御大の名前を出して生き恥晒しておんどらあうらぎったんですかあああ!!?!?!?」「裏切り!? いえ、こうしたら助けてくれるっていうんです!」「それを裏切りっていうんだああああ! どうして周りの全員のオークが吊るされて内臓取り除かれて精肉されかかってんのに、お前だけ生き延びられると思ううんだあああ!? わが軍はおまえみたいな豚のせいで! お終いだあああ!」
「ぴーぴーうるせえ口だなア?! おら! これでもくらえや!」部下オークの首にナイフがするっと入り込んでたちまち逆さづりオークから血の滴りがオーク少佐の口に「がぼがぼがぼ!? ごふぇんなヴぁびしゃべぃぃるぅかばヴぉおおお!?」
「さあ、ゲロっちまうなよ!? これはお前の大事な部下の血なんだぜ!? 私だって血のソーセージにして食うつもりなんだから、お前には吐く権利なんて無いんだぜ!?」「ゲホゲホゲフッヘゲッホリゲッヘル!? すまんませんでしたああ! 私は豚でしたああ! ですからもう洗いざらい喋りますからああ! 豚のように扱ってくださいいいいい!」「いいぜいいぜ! きちんとてめえにも部下の味を教え込んでやるぜ! じゃあ案内しろ」「ファ!?」モール族のドブチはさらにオーク少佐を引きずり込んだ!「うわああー!? 喋りまくりますから、案内しまくりますから! たすけまくってくだあさいいいいい!!?」「よし商談成立な! お前の御大殺してやる!」
夜道にて、もうあっという間に日が暮れたみたいだ。
「皆の衆、ご苦労であった、これで前線への道が開けた、いままで諸君の血によって成し遂げたオーク戦役は今や確実に魔帝陛下の全土帝国植民地化計画を押し進め、我らは魔帝軍の先鋒として大いに人間たちを地獄におくってやったのである、さあみなでのどを潤すのである」真っ赤な液体を飲み干したオークの将校たちは突然グラスを取り落としつんざく音ととも地に倒れた。
「な、何事!? はっ!? まさか食事に毒がもられて!? いかん、みな、食べるな、食べちゃいかん、たべちゃいやん、だめん!」そんなの貪欲なオークには無理です。
「あ、みんな食べちゃったのね、返事ないもんね、仕方ないね」
「そうだな、仕方ねえな、オークの御大!?」
「あ、きみが噂のオーク精肉店のドチキネキだね」
「どうだ? うまかったか? 部下の血肉は!」
「いや、毒混ぜるのひどいよ!? そんなの魔帝陛下もやりませんよ!?」
「お前らが補給線をろくにくまずに現地調達するから悪い! わたしが夜まで休まず作った豚の缶詰にまんまと全員引っ掛かる馬鹿なんだからな、いや豚か!」
「わるかったよー、ごめんねごめんね! もう降参だから、行きて魔帝の本土に返してちょんまげら!?」「無理だな、お前はもう」「わがはいは、もう?」
「ソーセージだあああ!!!」「うわあああああ生きながらにソーセージになっていたああああ!」
かくこうして異世界転生人は連戦をこなしていったという。
というか久々に書いたっていう話をしたかっただけです、伝えたいことはそれだけです。
墓記銘帳コレデアッテンノカ ウゴカッタン @kak16kyou
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