【掌編 ~800文字】

ウサギvsカメ

「もしもし かめよ かめさんよ。せかいのうちに おまえほど あゆみの のろい ものはない。どうして そんなに のろいのか?」

「なんと おっしゃる うさぎさん。そんなら おまえと かけくらべ むこうの こやまの ふもとまで どっちが さきに かけつくか」

「それじゃ、明日の午後二時に待っている」


 そして競争当日。先に来て待っていたウサギさんは準備運動をしていました。そしてそこへカメさんがやってきました。

 ――ブン! ブン! ブーン!

 ウサギさんの横に並んだカメさんは愛車のCBR二五〇Rに跨っていました。


「!?」

「さぁ始めようか」


 驚愕するウサギさんに対しカメさんはヘルメットのシールドを上げそう言いました。


「お前それで走るつもりか?」

「俺がのろいのは歩みだけだ。こいつに跨っちまえば全員俺のケツを拝めることになるぜ」


 するとウサギさんも愛車のホーネット二五〇に跨り横に並びました。


「俺様が速いのは足だけじゃないってことを知らないらしいな」


 そしてウサギさんとカメさんのバイクレースが始まりました。

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