ようこそ便利屋喫茶店へ

くろらべる。

プロローグ

 ここはカフェ「喫茶echo」。学生、サラリーマン、老人、ホームレスと様々な客が来店するただの喫茶店だ。ある一点を除けばな。

 この店はいわゆる便利屋というものだ。喫茶店は表面の顔……、という訳でもなく兼用してサービスを行っている。

 便利屋とは文字通り犬の散歩、将棋の対戦相手から窓の修理まで、殺し以外はなんでもやる。自分が納得する内容に限るがな。条件はカウンターに座って飲み物を注文してくれるだけでいい。ただコーヒーを飲みに来るだけでも大歓迎だ。


 なぜこんなことをしているのかって? 俺は喫茶echoの店長、山内大輔。生い立ちは少々特殊だが見た目は普通の21歳喫茶店マスター。

 高校を卒業してどこの企業にも就職せずこの店を1人で立ち上げた。自分の性格からして人の下に付けるとは思えない。なら自分自身で稼げばいい、単純な事だ。

 毎日毎日上司のご機嫌を取り当たり前のように残業する、最高の拷問だな。俺には耐えられない。どうやら日本ではそれが当たり前らしいがな。


 俺は人の役に立ちたかった。悪く言えば過去のあやまちの罪滅ぼし……。ここで全てを語るつもりはないがいずれわかるだろう。

 1人だって稼ぐ方法はいくらでもある。

 そしてこれが俺の選んだ道。


 さぁ時間だ……、そろそろ開店するとしよう。


 ようこそ便利屋喫茶店echoへ。

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