16時、
@rasya
4月6日
16時まであと数分。私は胸が高鳴っていた。明日は始業式。クラス替えという一大イベントを目の前にしていた。私は高校3年生ということもあり、最後のクラス替えの結果が早く知りたかった。『前日の16時、玄関にクラスが張り出される。』という情報を聞きつけ、居ても立っても居られずにいた。私は、この日、直接みに行くことができなかった為、
親友からクラス表を取った写真を送られてくるのをただただ待っていた。
16時、時間になってもなかなか送られてこなかった。私の気持ちは焦るばかりであった。今まで気にしてこなかったクラス替えの結果であるのに、何故こんなにも早く結果が知りたくてたまらないのか。
理由は明らかである。私は、恋をしていた。数学が好きな彼に。クラスが同じなら、毎日話せるかもしれない。距離を縮められるかもしれない。そんな期待を抱いていたのである。しかし、それとは反対に同じクラスになりたくないと願う自分がいた。同じクラスになってしまったら、きっと彼のことが気になって、大事な大学受験を控えているのに勉強どころではなくなってしまうだろうと心のどこかで感じているのも確かだった。
そこで出した結論は、たとえ、同じクラスになってもならなくても、いい方向に考えようと決めたのだった。
その時、ちょうど親友からクラス表が送られてきた。私のクラスは3組だった。
彼のクラスは______2組。
別なクラスだった。私は心から落ち込んでいた。やっぱり、同じクラスを望む方が強かったのである。
「また、別なクラスか。」
良い方に考えると決めたのだ。気を紛らわせなければ。その時、ふと、思い出した。彼は数学が得意なのだ。数学においては学年一位内を争うほどだ。確か、数学の選択が同じはずだった。
「そうだ。数学で良い結果を出して、頭の片隅でもいいから、私という存在を知って欲しい。」
と、決意したのだった。結局は彼のことが忘れられずにいたが、それが受験勉強に良い方向へ向かうのなら良い気がしてきた。
16時、 @rasya
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