青春とプリッツ

@panpan830

第1話 プリッツは青春の味


人の味覚は大人になると成長するらしい


例えば、小さい頃苦くて飲めなかった珈琲も今となればブラックでも飲めるし、最近は小さい頃から嫌いだったグリーンピースも食えるようになってきた。



そーゆう事を鑑みると俺の味覚は確かに成長していると言えるかもしれない。




最近は、スナック菓子を食べる頻度も減った



だけど、昔から俺が一番好きな食べ物は変わらない。



察しのいい人ならば気づいていると思うが、そう



プリッツだ




小さい頃、母さんがまだ生きていた頃口癖のように言っていた


「プリッツは、青春の味がするのよね」


当時全く意味がわかんなかった当時の俺は


「どこが青春の味なのー?」


と聞いていた。すると母さんは



「プリッツは青春のように短くて。甘しょっぱいのよ。竜も大きくなったらわかるわよ」


と、どこか淋しげな表情で答えていた


その時の母は俺ではない誰かを見ていて、ここではないどこかを見ていた。



今の俺なら母が言っていたことを理解できる。



いつからかは、わからないが気づいたらプリッツを食べる度に、無邪気に遊んでいたあの頃を思い出す。



母さんが生きていたなら今の俺になんと言葉をかけただろうか。



こんな事を考えたった、母はもう戻らない


そして、幾ら思い出したところで楽しかったあの

日々が戻らない。



しかし、今だけはあの頃に思いを馳せるとしよう。



誰1人として救われることが無かった俺の青春時代へ。




正直。聞いていて気持ちよくはならないだろう


暗い話が嫌いな人は即刻ブラウザバックすることを推奨する。




それでは。少し昔話をするとしよう


この物語では誰も救われることは無い、しかしこれが俺の青春であった。


俺は一生あの頃を忘れられないだろう。


俺はプリッツを食べる度にあの頃を思い出すだろう



短くてしょっぱかった俺の青春時代を。










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