ササラギアパートの物語

@prizon

第1話 意外と強引

「はあ、はあ,,,ぐはああ」

急な坂道を一人の男子高校生がきつそうに歩いていた。その人物こそ僕こと、氷川ゆきである。今年新たに有名な学校早瀬高校に入学してきたものの


「きつすぎでしょっ」


もともとここは住んでたところからかなり離れてるだけあって、かなり住んでたところと違う。

住んでたとこは盆地みたいな地形だったけど、ここはとにかく平坦だな。

でももう小1時間歩き回ってんだが人づてに探し回っても、なんで親が頼んでくれたアパートにたどり着けないんだ?おかしいよな


「詐欺・・・かなあ」


いくら両親が抜けてるったてそんなのあるわけ、、、いや普通にあり得るな。ほんとはいい両親なんだけど。抜けてるんだよな。


「とりあえず母さんに電話して問い詰めて聞き出ーーー」


思わずスマホを取り落としそうになった。新品なのに。危ない危ない。って話すところはそこじゃなくて、出会いというやつかな。眼の前に黒髪清楚系美少女がいた


あなただったらどうしますかね?目が離せないくらい綺麗な人がいたら。それくらいきれいだった。長い黒髪に細い腕、きれいな顔立ちに細いウエスト、妹と同じくらいの人なのか、身長は俺よりも少し低い。


「ねえ」


「ふ、不審者じゃありません。ほ、ほんとに違うんです」


ああ失敗した。知らない人に俺は何話してんだよ。てかこのセリフって不審者丸出しじゃないか。


「・・・」


「いややめてくださいよ。そんな目で見ないでください」


何かじっと見つめられてる。こりゃ疑われてるな。終わった。

がくうん。詰まりは俺が眼中にないのか。ショックだなこれ。


「君もしかして今年の入学者?」


さっきのはなかったことになった。まあ嬉しいけど。


「はい。今年早瀬高校に入学するんで」


「名前は?」


これはなんか来た気がする。でもいきなり過ぎるか。


「名前は氷川ゆきって言います」


「ふーん」


なんか軽く睨まれてる気がするな。そんなに興味深いのか、俺は。まあそれもかわいいんだけど、なんかちょっとやばい気がするんだよな。来て早々知らない人に声かけられるのはおかしすぎるシュチュエーションな気がするし。


ぐっと服の袖を掴まれた。逃げられない、、、でも力弱い。ここで突き放すのが普通なのだろうけど、あいにく俺はこの人生一番のチャンスかもしれない。つまるところ、下心満載って感じだ。


「あのー,一体何なんですかこれは?」


「・・・」


「俺ちょっと用があるんですけど」


「・・・」


??、、、?えっ今何だこの無言の圧力は。意外と怖い人なのか?

それとも口数が少ない方か?

まあ正直行くアテもないんだし、どうすることもできないんだけどさ。やっぱ期待するよね。

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