俺の妹が兄離れに失敗したんだが
紅月鈴音
着替え
俺、兎佐美湖月は昔何の気なしにスルーしていた話のせいで今ものすごく悩んでいる。もっと早く真実を言うべきだった…
6年前・・・・・・
ソファーに横になってゲームをしていた俺のパーカーの袖を引っ張って料理中のお母さんの所まで連れて行き
「お母さん!おおきくなったらお兄ちゃんと結婚する!」
そう宣言しているのは3つ年の離れた妹の兎佐美月夜。ずっと後ろに付いてきて歩いたり一緒に遊んだりと仲の良い妹だ。
「またなんかに影響受けたの?」
「月夜はほんとにお兄ちゃんのこと好きねぇ」
「だってお菓子分けてくれたり遊んでくれたりするから!」
「兄だから当たり前だよ」
「大好き!」
俺に顔を埋めて抱きついてくる。
「じゃあ結婚出来る年になるまでお兄ちゃんの事が好きだったら結婚出来るかもね」
その時は、お兄ちゃんと結婚する!と言う言葉の事を深く考えてなかった。また何かアニメの影響を受けて適当に言ってたりただ兄として好きなのだと思ってた。
そして現在
「お兄ちゃん日曜日一緒に買い物デートいこ〜よ」
「引っ付いてくるな」
ソファーの隣に月夜がいる状態でスマホをいじっている俺に引っ付いてくるのを手で押し返す。現在俺は大学1年となり月夜は高1になった。
そして月夜は見事に兄離れを失敗し絶賛ブラコン中と言う最悪の事態になってしまっている。
「そろそろ兄離れしないと大変だぞ?」
「え〜無理だよそんなの」
「いやいや、無理とかじゃなくて、な?」
「お兄ちゃんに彼女でも出来たら諦めるかもだけどね〜まぁ無理な話だよね、女の人とまともに話せもしないのに」
そう小馬鹿にするように笑ってくる。クソッ!どこでそんな煽りを覚えたんだか、そんな子に育てた覚えはありません!
「月夜だって彼氏いないじゃん」
「わ、私はお兄ちゃんと違って作らないだけだし!」
「ほんとかよ」
でもそうだな、俺に彼女でもいたら月夜も兄離れするのか?それとも逆に月夜に彼氏が出来てくれれば俺に向けている好意を違う人に向けることが出来るのか、
まぁ今の月夜が誰かと付き合うとは思えないけど
[ピロリロリン♪お風呂が湧きました]
「ちょっと今日疲れてるから先風呂入っちゃっていいか?」
「別にいいよ〜着替えは私が用意しておくよ!早く入りたいでしょ?」
「いや、早く入りたいのはそうなんだけど」
でもわざわざ月夜に着替えを頼んでまで早く入りたいとは思ってないけど
「いいからいいから!任せといて♪」
「まぁそういう事なら任せるわ」
きっとこれは月夜なりの優しさなんだろう、今日は結構疲れてたし早く風呂入って寝たかったらか嬉しいな
◇
やっとこの時が来た!急いで自分の部屋に戻って隠しておいたダンボールを開ける。
「あったあった!」
ダンボールの中にはちょっと前にjungleでポチッとした洋服がちゃんと入っている。
「ふっふっふっこれでお兄ちゃんに私の愛を感じてもらわないと!」
後はお兄ちゃんの下着とズボンだけ、それは買ってないからお兄ちゃんの部屋に入んないとね、しょうがない事だから!
「おじゃましま〜す」
カチッと部屋の電気をつける。部屋には特に目立ったものは置いてないけどベットは綺麗にされていた。
「部屋中お兄ちゃんの匂いだ」
どうして同じ柔軟剤使ってるのに匂いが違うんだろう?もしかして1人だけ違うの使ったりして、いやお兄ちゃんに限ってそれはないか、
「ふふふっお兄ちゃんのベットにダ〜イブ!」
ボフッと掛け布団に体が沈んでいく。
「はぁ、何時間でもこうしていたい」
ってこんなことしてる暇ないんだった、お兄ちゃんお風呂出るの早いから早くしないと、渋々ベットから離れてお兄ちゃんの洋服が入ってるタンスを開ける。
「えーっとズボンがここで下着がここっと」
適当にジャージと下着をタンスからとって閉める。
これがいつもお兄ちゃんが履いてるスボンと下着……
やばい!これ以上このままでいると理性を失って盛大にやらかしちゃいそう!そうしたらいよいよただの変態になっちゃう!早くお兄ちゃんのとこ持っていこ。
トントントン
「お兄ちゃん入るよ〜」
「わかった」
返事を確認してから扉を開けて脱衣場にある着替えを入れるカゴに用意した着替えを入れた。この扉を開けたらお風呂に入ってるお兄ちゃんがいるなんて、ちょっと覗くくらいだったら…
扉に手をかけたその時
「おい、月夜開けるなよ?」
ギクッ!
「そ、そ、そんなことしないよ!」
なに!?お兄ちゃんはエスパーか何かなの!?・・・まぁ今日はベット堪能できたしいっか!早く出てこないかな〜
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