ゆりの葉

海澤晴菜

第1話

最近、紗良の気持ちが分からない。


初めましてで仲良くなった子で、色んな相談にのったり沢山遊びに行ったりしてた。


でも、いつからか、紗良は私にキツい言葉を言うようになった。


仲良くなったから遠慮が無くなった。

何度もそう思おうとした。


でも、無理だった。


あの一言で、紗良への信頼を全て無くしてしまった。


嫌いなら嫌いと言って欲しい。

一緒に居たくないならそう言って欲しい。

回りくどい言い方なんかしないで。


後少しで、新学期が始まる。

同じクラスになった紗良と、何を話せば良いのだろう。

私の事を嫌いな子と。


去年、思った事を心の中に留めておいて良かったと思ってる。


それと同時に、言いたい事を言った方がもやもやしなくて良かったんじゃないか、とも思ってる。


どっちが正解だったかは分からない。

でも、今年もぎくしゃくしたままは嫌。


1年間を一人で過ごす事になっても、紗良と決着をつけようと思う。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る