【野球】バントは不要なのか?
まず、野球ってのは9回の攻防を繰り返します。で、それぞれの攻撃は3回のアウトを宣告されるまで続きます。つまり、2回までのアウトならまだ攻撃できるわけです。
3つの塁、9人の打者、3つのアウト。この数がメッチャ絶妙でね、ゼッタイにランナーをやってる人に打順が回ってくることがないの。ベースボールを考案したアメリカの消防団には脱帽ですわよ。
さて、近年の野球では残念ながら『バント』を交えた戦術が否定されつつあるようです。結論から言えば『バントをすることによって得点率が下がるから』というのが主たる理由なのですが、このへんは『バント 不要』あたりで画像検索すればいくらでもデータが出てきますので各自ググってみてください。以下ちょっとだけ解説。
バントは『1アウトを与える代わりに、既存のランナーを進塁させる』戦術に使われます。野球の公式ルールブック『公認野球規則』ではバントの定義を『バットをスイングしないで、内野をゆるく転がるように意識的にミートした打球』としています。例えば1塁ランナーを2塁へ進塁させるような『犠牲バント』が典型的ですね。ほかにも、盗塁と同時に是が非でもバントをする『バントエンドラン』があります。多くは3塁ランナー時に使われる『スクイズ』ばかりですし、まあバントエンドランなんて言葉は数年に1度でるかどうかって感じでしょうね。
で、野球は3つのアウトを宣告されたら攻守交代になります。そのうち1つを献上するってんだから非常にリスキーな戦術なのよ。実際、野球に関するアレコレをデータ化する試みによると、『ノーアウトランナー1塁』と『1アウトランナー2塁』、つまりセオリー通りのバントが成功した場合を比較すると、バント成功後のシチュエーションのほうが得点率が低いっていうデータがね、けっこうあったりするんです。あくまでデータ上の数値なので、選手のタイプや相性、その時の状況なども考慮すべきでしょうが、とりあえず数値上は『バントはちょい損』が実情です。
あと個人的に『以外とバントは難しい』ってのが理由としてあると思います。難しいのよ? バントって。ちゃんと決められる人のそれを見ると、まあいとも簡単にやっちゃってくれてるんだけど、実際に打席に立って、ボールを寸前まで見切って狙いドコロに転がすってマジで高いスキルが必要なんです。
さて、ここまで見ると「やっぱバントって必要なくね?」って流れになりそうですね。じゃあ次は、バントという戦術を組み込む利点などを考えてみましょうか。
バントをするのが難しいように、バントへの対策もけっこう面倒だったりします。ランナー1塁だったり、1・2塁だったり、2塁、1・3塁、はたまた満塁からのスクイズ……それぞれのシチュエーションに対応した『バントシフト』を組まなければなりません。しかもチームによりシフトが変化しますので、それぞれのシフトや動きをマイナーチェンジで覚えなければならないというね。
バントを積極的に組み込むことで、相手チームの練習不足や準備不足を見切ることができる、つまり『穴』を発見することができるようになります。これはレベルが高いチームほど要求されるスキルで、甲子園出場するようなチームだったらこのあたりは織り込み済みです。だからこそ、多くの選手はバントもしっかり練習しています。
あとは『エラーを誘う』なんてことも考えられますかね。上記の練習不足やらなにやらで、どうしても焦る場面が出てきたりするんですよ。まあ、相手のエラーに期待するってのは個人的に面白くはないのですが、バント処理の面倒くささを考えればそれに期待するのもアリなんじゃないかなと。とくに左投げのピッチャーの場合、ファースト送球がちょっち遅れますからね。
さらに、うまいチームだと一気に2塁進塁を仕掛けてきます。ファーストからサード、セカンドからホームってな感じですね。わたしが小学生のころはよく使ってた手でして、実際バント処理ができてないチームはこれだけで手玉にとることができました。
まあ、わたしはバントど下手でしたけどね。
さらに、バントには『成功されたら得点圏にランナーが進む』というプレッシャーを与えることができます。データ上得点率が低くてもね、これケッコー大事。活用法としては投手力、守備力重視のチームの切り札って感じですかね。打力が無くても"何か"があったら1点――そのプレッシャーは経験者ならわかると思います。
とまあ、こんな感じでいいっすかね? いや、そりゃあ確かに1番から9番までパワーヒッターが揃うチームだったらいいんですよ? 1番イチロー2番山田3番柳田4番村上……とかさ、そういうふざけた打線だったら戦術もクソもないッスよ。監督コーチはただだまーってベンチに座ってりゃいいんだから。でもそういうわけにゃいかんでしょ? それに、自分らはバントしなくても、相手はバントするかもしんないから結局バント処理の練習は必要だし、バントに関するデータは『きちんと対策され、洗礼された処理をするプロ』だからこその数値なのでね、それを素人や他のリーグで使えるかどうかは未知数です。確かMLBではちょっと違う数値があったような気がする、いや、あまり余計なこと書くべきじゃないか。気になる方はググってみてください。
とりあえず『バントが不要かどうかは、アナタが実践で確かめてみましょ』ということで結論にしちゃいましょう。ということで、草野球はじめてみませんか? なんならわたしが手とり足とり教えて差し上げますよ?
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