第7話
本大会は、県外で行われるため、前日から現地入りするのが定石だ。これを前泊と呼ぶらしい。県代表になった他の高校さんと合同でバスを借りて移動することになる。
「横川、と、隣、いいかしら」
真っ赤な顔をした松井田がそういって隣に座ってくる。少々驚いたが、俺はあくまで平静を装った。つもり。
隣の県までの移動となるので、5時間ほどかかる行程だ。
膝と膝。肩と肩。おしりとおしり。バスに揺られ、カーブに差し掛かるたびに松井田と触れる身体。仮にも異性だ。意識するなという方が無理がある。しかし松井田の方は何とも思わないらしく、僕の方に頭を預けて寝息を立てている。あの、周りの目もあるんで何とかなりませんか、松井田さん、、、
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想定外の事件が起こった。完全に旅行代理店のミスだとは思うが、私と松井田が相部屋になっていたのだ。文句を言いに行ったが、部屋がいっぱいで今からの変更は不可能らしかった。幸いにもベッドは別々だったので、間にカーテンを入れることで妥協した。
「覗いたら殺すから」
結構ガチのトーンでがんを飛ばしてきやがる松井田。いやいや、そんな度胸は無いですよどうせ。
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