第4話 ガチャガチャから神様(4)



「おい」



あの1万円があったら・・・お寿司も高級ステーキも食べられたな・・・



「おい、お前」



1泊で優雅に温泉も行けたのに・・・



「おい、そこの娘」



缶ビールにナッツで夕食を終えようとしなくても、レストランだって行けた・・・



「おーい、おいおい、お主、そこのお前」



最近肩こりも酷いし、マッサージやエステでリフレッシュできたのに・・・



「おい!いい加減気づかぬか!!」



「!!!!!????」



雷に打たれたように、いや、打たれた事はないけれども、きっとそのくらいの衝撃がその声にはあった。



足音も気配もない、それなのに突然背後からの怒鳴り声に振り返るとそこにいたのは、膝丈まである銀の髪に白い装束を纏った、日本人ではない男性。



「ひっ・・・だ、誰・・・ですか・・・私、お金、なんて・・・もう、ないです・・・」



恐れおののく程見目麗しいこんな男性、1万円をガチャガチャに食われた私に何の用があるというのか。




まさか!!




よもやこいつがこのガチャガチャを設置したなんて事・・・



「おお、やっとこちらを向いたな、よしよし。お主、俺が見えておるな?」



「・・・見え・・・?はい・・・だって、いるじゃないですか、そこに・・・」


私が振り向くと、は嬉しそうに満面の笑みで私に近づいた。


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