ある人が愚痴をこぼした
おばあちゃんはいつもニコニコしていた。
特にしゃべったりすることはなく、
いつもニコニコと
育ちの良さを滲ませながら笑う。
その笑顔にいつもほっこりする。
けれど、
おばあちゃんにはいつも悩まされる問題があった。
おばあちゃんの部屋
そこは、いつも変な臭いがした。
見るもいたるところに茶色く丸い物体が部屋の至るところに転がっていたのだ。
おばあちゃん、
またやったのね
そういうけれど、
相変わらず、とぼけたようにニコニコ笑っている。
そのコロコロした茶色い物体を処分する。
けれど、その鼻をつまみたくなるほどの臭いが取れたわけではない。窓を全開して、ファブリーズをまく。
そして、おばあちゃんをお風呂に連れていき、洋服を脱いでいくと、ポケットにもコロコロしたものが入っている。
口の中にもコロコロしたもの。
とにかく、吐き出してもらう。
おばあちゃんをきれいに洗い、ようやく一段落。
けれど、またしばらくすると
おばあちゃんは
ニコニコして
部屋から姿を表した。
なぜか拳を握りしめている。
手を開いてみると今度はべっとりと茶色いものがついていた。
臭い
思わず鼻をつまみそうになるが、ぐっとそれをこらえる。
ここで
「臭い」とか
「なんで便を掴むの? さっき、洗ったばかりじゃない! いいかげんにしなさい!」とか
怒鳴り付けたら
それだけで虐待扱いになりかねないからだ。
だから、
ぐっとこらえた。
また、おばあちゃんに染み付いた汚れをとる。
また、
部屋の掃除をする。
いつまで
続くのだろうか。
そんなことを何度も考え、
葛藤しながらも、
今日も
働いている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます