第4章 僕から高島さんへ3回目の告白
第43話 閑話<女性らしい>
市からの依頼で、車で40分ほど移動した先で公演することになった。
普段は大き目の会議室を有償で借りて練習しているものの、行政からの依頼なので、依頼後は大きな会場を無償で利用して準備と練習をさせてもらっていた。
ある練習の日、僕の運転する車に高島さんと半井氏とあと2人が同乗して移動することになった。あと2人が誰だったかは思い出せない。
高島さんと半井氏は後部座席に乗車している。
しばらく移動した街はずれの飲食店の前にさしかかったときに高島さんがポツリと一言。
「そういえばここのお店結局行かなかったな…………」
普段の高島さんらしからぬ女性らしい発言だったのでつい僕が突っ込みを入れてしまった。
「そういうところは女性なんだね」
「えっどういうこと?」
すかさず高島さんからも突っ込まれた。ただ話しかけたのは僕ではなく、隣に座っていた半井氏にだった。
車中は笑いの渦に包まれたものの、こうした場面でも僕に直接突っ込まないところが高島さんらしいけど、少し寂しかったのを覚えている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます