レア職「アニマルテイマー」は最強なのか

カモさん

第1話 神の信託

ジョブ―――


それは神から15歳成人となったときに受ける力

多くの者は冒険者となり数々の困難を乗り越え、世界を救う


しかし冒険者には裏で支える人がいる

飲食屋、武器屋、宿屋…

彼らもまた神の信託によるジョブである


――

―――

―――――

――――――――


「キターーーー!!」

朝日と共に勢いよく目覚める。うーん、気持ちのいい朝だ。

今日は私の誕生日。15歳の私はついに職を手に入れることができる!


朝の支度を足早に済ませ、家を飛び出す。

神様より職が授けられる神殿、普段は近所の子どもたちの学び舎として機能しているが、今日は特別……今歩いている神殿への道もいつもと違うような感覚になる。

これが神様クオリティか……。


神殿の扉を開けると、いつも私たちに勉強を教えてくれる人が3人ほどスタッフとして待っており、神と呼ばれる綺麗な女の人の像の傍にはこの神殿の管理者である司祭が立っていた。


神殿内に入り、祝いの言葉や職取得記念品を受け取りながら像のもとへと歩みを進める。

そして司祭から説明を受け、神殿で少し手続きをしたのち、神の像に手をかざす。

何の職に就くか、期待と不安が入り混じる……。


『手川ヒカリよ……そなたはアニマルテイマーである。世界はそなたを必要としている。では、行け!』


ん?なんて言った?あにまるていまぁ?

「手川さん!おめでとうございます!アニマルテイマーはとてもレアな職業です!」

その言葉でトドメが刺された。


「畜産農家はこの大陸にも数多く存在していますが、アニマルテイマーという職業は手川さんで2人目です!そしてですね、この職業は最も……」

説明を熱く語られ、余計に傷をえぐられる。私は……冒険職になりたかった。


「何が神様クオリティだ!何が世界はそなたを必要としているだ!何がレアだ!!なんで冒険職じゃないんだ!」

魂からの叫びが神殿内に響き渡る…流石にやりすぎた。


職業説明パンフレットを受け取り、逃げるように荷物をまとめ、神殿を飛び出す。

家を出た時のような高揚感はすっかり失われ、とぼとぼと帰宅する。

すぐに自室に戻り、アニマルテイマーについて調べる。

分かったことは2つ。


1つ目はアニマルテイマーが完全に動物を操ることに特化された能力であること

2つ目は今の段階では【テイム】のみしかできないということ


さすが生産職……冒険職とは違って戦闘できそうにないな。


プルルル プルルルル

職を手に入れると貰える遠隔会話機械が鳴っているみたいだ。

誰だろう…


「あーあーもしもし?聞こえてる~?」

「何?レオン、自慢ならやめてよ。私冒険職になれなかったの」

相手はどうやらフォレス・レオン。私の友達で誕生日が一緒で、能天気で馬鹿なヤツだけど憎めない。


「おお!すごいなこれちゃんと聞こえてる!というかヒカリ冒険職じゃなかったんだな!」

…ってレオンも?」


「俺の能力、プランテーションだった。木を生やすだけの職……植林農家に向いてるって」

「そりゃ気の毒ね」

「ホントいいのにな!どうしようかなあ今後」


それだ!!!

「ありがとうレオン!また今度!」

いいこと考えちゃった…


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