合流、蓮の涙

「だんだん暗くなってきちゃった……。」

「景色、見えないね。」

 機関車に乗って早8時間、外は少しずつ暗くなり始めていた。

 竜太は共鳴探知を発動していて、もうすぐ人が沢山いる所に到着しそうな事を察し、まもなく中心都市エレメントに到着するのではないかと考えていた。

 蓮は外が暗くなり、景色が見えなくなり始めている事にがっかりしていて、大地はまだ夕日で見える外の景色を眺めていた。

「多分、もう少しで到着すると思います。」

「そうですか、それは良かったです。早く向かわなければ、時間が足りなくなってしまうかもしれませんからね。」

「また修行かぁ……、まあ強くならなきゃならねぇからいいんだけどさ。」

 まだ何をするのかを知らない一行は、修行の日々に戻るのではないかと考えていた。

それはあながち間違いでもないが、ディンの考えは読めていないだろう。

「忘れそうになってたけど、竜太君もディンさん達と同じ指南役だもんね。やっぱり、強いの?」

「父ちゃんよりは弱いですよ。リリエルさんやウォルフさんよりも、僕はまだ弱いと思います。外園さんは近接戦をしないタイプらしいので、近接戦に持ち込めばわからないですけど…。」

「セレンさんよかつえぇのか?」

「セレンさんも本来は戦闘タイプの方じゃないですから、あの人は鍛冶職人ですし。」

 竜太の力は、潜在能力を含めればディンより強い。

しかし、その潜在能力が原因で一度、暴走して理性を飛ばしてしまった事があった為、今はディンによって自分の精神力や能力に合わせた力しか引き出せない様に、封印がしてある。

 徐々に封印は解かれていっているが、まだ潜在能力の半分以下しか引き出せない。

「リリエルさんは父ちゃんに第四段階開放までさせる人ですし、ウォルフさんは経験豊富ですし、外園さんは魔法力が高いです。セレンさんも鍛冶職人としては一流ですし、僕はまだまだ半人前ですから。」

「でも、俺達よりはずっと強いよね。」

「まあ、それは戦ってきた経験値の差だと思いますよ。僕も戦いに身を置いてから2年位ですけど、皆さんもそれくらい戦ってれば、僕より強くなると思います。」

 謙遜でも嫌味でもない、竜太は本気でそう思っていた。

自分は竜神と人間の間の存在、そして俊平達は四神と竜神という、二種類の神の力を行使している。

 相乗効果があるかはわからないが、両方の力を100%使いこなせてたのなら、自分より強くなるだろうと、竜太は考えていた。

「……、竜太よ……。」

「はい、なんですか?」

「お主は、十分に強い……。もう少し、自信を持て……。」

 父親を超えようとは思っていない、とソーラレスで竜太は大地に話していた。

それに、今の発言。

自分は弱いと、そう思い込んでしまっているのではないだろうか?と大地は考える。

 大地からしたら、竜太は十分すぎる程強い。

1年や2年そこいらで、超えられる様な強さではないと認識している。

「大地さんの言う通りです。竜太君は強いですよ、もっと自信を持ってください。」

「ありがとうございます。でも、本当に皆さんの方が強くなれると思いますよ。」

「俺らあんま期待されても困るぜ?おめぇがこんなかじゃ一番つえぇんだ。」

 竜太は自分を卑下している訳ではなく、本心からそう思っている様子だ。

少なくとも、大地や清華にはそういう風に映っている。

だから余計に心が痛む、自分を過少評価してしまっている、と。

「竜太君、強いと思うけどなぁ?」

「今はまだね、でもこれから先はわかんない。蓮君だって、デイン叔父さんの力を使ってるんだから、僕より強くなれると思うよ?あと、父ちゃんが修行つけてるしね。」

「そうなのかなぁ……、竜太君強いと思うんだけど……。」

 蓮にとっても、竜太はまだまだ超えられない強さを持っている。

自信がない事がなんとなくわかるが、蓮は自分の方が強くなれるとは思えなかった。

それほど、今の自分達と竜太の実力には差があると感じている。

 何故そこまで自分を責めて弱いというのか?がわからない。

「僕はまだまだ半人前、それは変えようのない事実です。だから皆さん、僕くらい超えないと大変ですよ?」

「……。」

 竜太の言葉に、返事を失ってしまう。

変えようのない事実だと、竜太自身がそう考えてしまっているのが、よくわかるからだ。

 確かに、ディンと共に戦ってきた竜太は、ディンの戦闘を間近で見ている。

それと自分を比べてしまうと、自分は弱いと思ってしまうのかもしれない。

「もうすぐエレメントに到着すると思います、到着したら急いで父ちゃん達を見つけましょう。」

「そ、そうだな……。」

 竜太には竜太なりの悩みや苦悩がある、それを大地は改めて感じた。

清華も、自分が父に対して感じていた劣等感に似た感情だと、そう感じていた。

 しかし、竜太自身がそれを受け入れてしまっている以上、何も言えないのだ。

悩んでいるがそうではない、苦悩であるがそれが普通である。

竜太の、そんな一面を垣間見た様な気がした。


「中心都市エレメントに到着でございます、お客様。」

「着いたの?」

「降りましょうか。」

 機関車が停車したとほぼ同時に、乗務員が客室のドアをノックし、入ってきた。

案内の時の乗務員とは違い、女性の竜種のその亜人は、まだ若いであろう事が伺える。

 竜太が先頭を歩き、一行が外へ出ようとする。

「本当に竜神様の関係者なのかしら……?」

「え?」

「……。なにもございません、ご乗車ありがとうございました。」

 本当に小声で、乗務員が呟いた。

それは竜太には聞こえたが、他の面々には聞こえていなかった様子だ。

 竜太は声音から、疑念を持たれていると感じた。

それだけ弱く見えるのだろう、疑いたくなる程に。

知らせれば皆を傷つける、そう思った竜太は何も言わず乗務員の前から去っていった。


「凄い発展してる……。」

「キラキラしてる!」

「ジパングやソーラレスとは全く違いますね……。」

 機関車を降り駅に出ると、ガス灯が揺らめき幻想的な明かりを演出していた。

 駅は広く、合計で9番線まで連なっていた。

それぞれの線路を渡る為に橋がかけられており、それはどういった動力なのかわからないが自動で上がり下がりする様だった。

竜太達が降りたのは5番線で、丁度真ん中に位置していた。

「綺麗だね。」

「そだな、なんか港街とも違う感じするし。」

「広い、な……。」

 蛍光灯ではないが、そういった類の明かりを見るのは久しぶりだ。

 外園の家は夜は蝋燭で明かりを灯していたし、ジパングやソーラレスは松明の明かりが中心だ。

村の中央に大きな炎を灯していたりする場所もあったが、こんなガス灯で明るい事は無かった。

「とりあえず、父ちゃん達を探しましょう。時間が、あとどれくらい残っているかもわからないんですし。」

「そうだね、ディンさん達の気配っていうのはわかる?」

「ちょっと待ってくださいね……。」

 駅を歩きながら、竜太は共鳴探知を発動する。

その波動はこの中心都市全域を確認出来る程度の大きさにはなっていて、多数いる人間や亜人の中から、ディン達の波動をピンポイントで探さなければならない。

 魔法を使うのが苦手な竜太は、一生懸命にディンの波動を思い出し、それを探す。

ぽつぽつと人間とは違う気配があるが、それは亜人のものだろうと考えられる。

 それと同時に、人の往来が多い部分に、少し懐かしい気配を感じる。

「デイン……、叔父さん……?」

「竜太君、どうかしたのぉ?」

「ううん、何でもないよ。集中しなきゃ……。」

 都市全体に広がっている、その気配。

それは、1年と少し前に感じた事のある、デインの気配だった。

 この都市の何処かにデインがいる、と感覚的に感じた竜太は、うっすらと涙を浮かべながら、また共鳴探知を発動する。

今度は集中を切らさず、丁寧に魔力を発動しながら。

「街並みも素晴らしいですね、何処か幻想的です。」

「俺達の世界に近い感じだね、でもこんな綺麗な所中々見た事ないね。」

 駅を出て、街が見えてくる。

ガス灯が街を照らし、煉瓦造りの家々や店が並んでいる光景は、セスティアの日本では中々見られない光景だ。

 修平や俊平は修学旅行で東京に出た時に、煉瓦調の街並みを見た事があるが、観光程度しかした事がない。

ジパングの港町よりもっと洗練されたとでも言えばいいのだろうか、美しい街並みに眼を奪われる。

「きれいだね!」

「そうだな……、初めての光景だ……。」

 竜太が集中して共鳴探知を発動している中、目を輝かせる5人。

緊張していた清華と大地でさえ、目の前の光景に魅入っている。

 車こそ走っていないが、馬車や人力車が続々と来ては離れていき、活気を感じさせる。

それも、ジパングやソーラレスとは、大きく違う所だ。

「見つけた、かな?」

「お兄ちゃん達、どこにいるかわかったの?」

「多分、すぐ近くにいると思うよ。あそこの大きい建物じゃないかな?」

「じゃあ、いこうよ!」

 竜太が指さしたのは、他の建物が高くて3階建て程度の所、6階程度の大きさがある建物だ。

歩いて3分もあれば着くだろう、目と鼻の先だ。

 蓮はそれを聞いて、早く行きたいと竜太の手を掴み引っ張る。

竜太はそれに逆らわず、引っ張られるままに歩き出した。

「蓮君、嬉しそうだね。」

「そうですね、お兄さんに会えるというのは、嬉しいのではないでしょうか?」

「何やかんやで半月位は離れてたか?蓮位のガキにとっちゃ、なげぇ時間だな。」

 そんな蓮を見て、微笑む4人。

あまり感情を表に出さない大地さえも、良かったなと軽く頬を緩めている。

4人は、蓮と竜太の後を追いかけながら、街の風景に驚くのであった。


「お兄ちゃーん!」

「お、来たな。」

 宿のロビーで、まったりしているディンを蓮が見つけた。

蓮は大声で叫ぶと、ディンに向け走る。

ディンが声に気づき立ち上がった所で、思い切り抱き着いた。

「お兄ちゃんの匂いだー!……、……。お兄ちゃん、会いたかったよぉ……!」

「泣くな蓮、そんなに寂しかったか?」

 ディンの腹に胸を埋めていた蓮が、唐突に涙を流しヒッグヒッグと嗚咽をこぼす。

2週間経ったか経たないか程度しか離れていなかったわけだが、しかし蓮にとっては長すぎた様だ。

涙をだらだらと流しながら、ディンのパーカーを握りしめている。

「ごめんな、蓮。」

 ディンは、そんな蓮の頭を静かに撫でる。

こうなるであろうと予想はしていた、しかし一度は離れなければならない理由があったんだ、と。

 蓮も1人の戦士、一人前になってもらわなければならない。

だからあえて厳しい所に身を置かせ、自分と引き離したのだ。

「ぼぐ……、まだひどりなんでやだよぉ……!」

「……。本当にごめんな、蓮。これからは、一緒に居てやれるからな。」

 泣きじゃくる蓮の頭を撫でながら、ディンは優しく諭す様に話す。

蓮が泣いているのを見た竜太達は、やはりまだディンから離れるのは難しいのだと実感する。

 自分達では、半年友として過ごした竜太ですら、ディンという存在には遠く及ばないのだ、と。

「父ちゃん、もう蓮君離れ離れにしちゃだめだよ?」

「わかってるよ、竜太。」

「ほんとに?父ちゃんそういっていなくなったりするから……。」

「こんなに泣かれちゃ出来ないよ、そんな事。」

 竜太はディンを無事見つけられた安心感と、蓮が泣いているのにつられて泣きそうになりながら、ディンを嗜める。

 ディンは竜太の成長を喜びながら、まだまだ蓮は傍にいてやらないといけないな、と思うのであった。


「久しぶりに感じるな、修平君。」

「ウォルフさん!」

「清華さん、少し構え方が変わったかしら?」

「リリエルさん、お久しぶりです。」

 蓮がディンにくっつき虫の様にくっついていると、ウォルフ達が顔を出す。

 清華は、リリエルの纏っている気配が少し変わった様な?と、一言話して感じる。

心なしか距離が近い様な声音、とでも言えば良いのだろうか、以前の様な棘が少し減った様な気がするのだ。

「リリエルサン!ウォルフさん!」

「蓮君、男の子が泣いちゃだめでしょう?悲しかったのかしら?」

「うんとね……、嬉しかったの!」

「そう、それは良かったわね。」

 蓮の姿を見て、ホッとした様子のリリエル。

それが傍目に、清華にわかる程度には表に感情を出している。

 今までのリリエルだったらありえない事だ、と清華はその変化を感じ取る。

「よう俊平、元気してたか?」

「セレンさん!おう!」

「皆さん、よくご無事でいらっしゃいましたね。おや?洋服が破れていますね。」

 そこにセレンと外園もやってきて、全員が合流を果たす。

 外園はちょっとした魔力を使い、修平の空手着の背中を一瞬で直した。

 約2週間ぶりとはいえ、何か月も毎日顔を合わせていた仲だ。

何か話したい事もあるだろうが、悠長に構えている程時間がないのは全員承知している。

「リリエルさん、また修行をするのですか?」

「それは後なのよ、まずはそれぞれが武器を取りに行く手筈らしいわ。」

「武器?セレンさんが造ったこいつで足りるんじゃねぇの?」

「それがな、事情が変わってきたんだとよ。だから、この国のトップの奴らの造った武器を取りに行くって話だ。」

 今の所、切れ味には困っていない。

十分すぎる程よく斬れる刀や、十分すぎる硬度を持ったグローブや六尺棒だ。

 それに、武器を取りに行っている暇などあるのか?という疑問もある。

「俺の武器、まだこの世界に慣れてねぇんだ。竜神の造った武器ってのは、おめぇ達の魔力を流すのに丁度いいらしい。」

「魔力を流す?どういう事でしょうか?」

「君達の力は武器にも魔力を流して、強化が出来るんだ。でも、今のセレンの武器じゃそれが上手く出来ない。だから、この世界に精通してる竜神に、武器を造ってもらってたってわけだよ。」

「魔力を流した場合ですと、元の武器によりますが、武器としての性能は数倍になるかと。また、魔力の流れというのは、皆さんの身体強化にも通ずるところがあります。つまり、それを行う事で身体能力の向上も考えられる、というわけですね。」

 外園の説明に、へーっと唸る4人。

身体能力の向上を勾玉が行っている、というのは聞いていたから知っていたが、それを更に向上させる事が出来るのであれば、ある程度の敵とは戦える様になると考えられる。

 あまり時間のない中で、都合の良い強化方法という事だ。

「僕も新しい武器を取りに行くの?」

「いや、蓮は今のままだ。蓮の武器は俺が鍛造したものだからな、魔力を流す原型はもう出来上がってるんだよ。」

「お兄ちゃんが造ったの?」

「そうだ、だから蓮の武器は変更なし、皆の武器は変更って事だな。竜太も、そろそろ竜の愛を使う頃合いかもしれない。」

 竜の愛、とは竜太のもつ竜神剣の事だ。

今回の旅では、竜太にも成長してほしいという意味を籠めて、あえて今まで使い慣れていない武器を使わせていた。

 しかしそろそろ頃合い、という事は、外界の神からの干渉が日に日に強くなっている、という事だ。

これから先の旅で、何処でその神の息のかかった敵が現れるかわからない、という意味でもある。

「わかった、トンファーって使いづらかったんだよね…。」

「竜太君、トンファーがメインの武器じゃなかったの?」

「はい。僕も竜神、竜神は竜神剣という剣を使い戦います。父ちゃんの使う竜神王剣の、多分少し下位互換みたいな感じの剣ですよ。」

「竜神という……、種族固有の武器……、というわけか……。」

 トンファーを使っている時でさえ、大地達よりずっと強かった竜太が、まさか剣をメインに使う戦士だとは思わなかった、と大地達は思った。

それだけトンファーを使いこなしている様に見えたし、何より強かったのだ。

 自分達がずっと鍛錬してきた基礎があって、それでも強いと感じていた敵を、あっという間に薙ぎ払ったあの強さ。

それが、武器という制約によりセーブされているとは、とてもではないが思えなかったのだ。

「竜太君、僕が来てからトンファー使い始めたんだっけ?」

「確かそれくらいだったかな?だから、使いこなせてなかったんだよね。」

 ディンの腕の中にすっぽり収まっている蓮が、竜太と初めて出会った頃の事を思い出す。

あの頃、竜太はディンに修行をつけられ、トンファーを使い始めたと言っていたか、と。

 実際、竜太がトンファーを使い始めたのは、蓮がディセントについた頃からだった。

「hahaha,そういやそうだったな。竜太がトンファーを使い始めた頃の、あのこけっぷりは面白いものがあったな。」

「そういえば、何故竜太君に違う武器を使わせていたのかしら?竜神剣を最初から使っていれば、もっと成長していたんじゃないかしら。」

「色んな武器を使いこなす修行は、必要だったからな。その世界に則した武器を扱えた方が、良い事があるんだよ。」

 そうなると、たった半年近くで、あそこまで使いこなしている事になる。

潜在的な能力と適応力、その高さが伺える。

「まあ、今日はとりあえず休んで明日からまた移動だな。部屋割りは、指南役とそれぞれでいいだろう?」

「私は1人のんびりとさせて頂きますよ。」

 いつまでもロビーで話しているのも違うだろう、とディンが音頭を取り、それぞれが部屋へと向かっていった。


「清華さん、少しいいかしら?」

「はい、なんでしょう?」

 部屋についてすぐ、リリエルは清華に声を掛けた。

何か言いたい事があるのだろうか?と清華は身構える。

「そう身構えないで頂戴、大したことじゃないわ。」

「なんでしょう……?」

「……。ごめんなさいね、貴女の意思を尊重していなくて。」

「……、え!?」

 ごめんなさいね、確かにそう清華には聞こえた。

まさかあのリリエルが、清華に謝る事があるとは、驚かざるを得ないという風だ。

 離れていた2週間の間に、いったい何があったというのだろうか、と清華は考える。

「貴女も、私の復讐の為の道具だと思っていたわ。でも、それは間違いだった。指南役と教わる人間

といっても、仲間だったのね。」

「なにか、あったのですか……?」

「守れなかったのよ、大切に思いかけた子を。それに皆が教えてくれたの、仲間という存在を。」

大切に思いかけた子を守れなかった、という事は、誰かを失ってしまったのだろう。

 暗殺者であり、大量虐殺を厭わなかったリリエルが、誰かの死によってこうも変わるとは、と清華の驚きは止まらない。

 しかし、確かに蓮や竜太に対しては優しい一面を持っていたな、と思いだし、それが今回の件にも通じているのか?と考える。

「私は、リリエルさんのお考えは認められません。しかし、今のリリエルさんのお考えなら、理解出来るような気がします。」

「根本の部分は変わっていないけれどもね。私は復讐者である事に変わりはない、でも…。仲間というのも、悪くはないと思ったのよ。」

「私達は共に世界の危機に向かい立ち向かっています。ですから、仲間といっても差支えは無いと思いますよ。」

「そうね。私の言いたい事はこれだけよ、今日はもう休みなさい。」

 リリエルは少し恥ずかしそうに告げると、清華に休むように促す。

清華は、リリエルの変化に驚きつつ、その変化を喜び、ベッドに入り眠りについた。

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