第六話 初の決闘

ルールは簡単。相手が戦闘不能になるか、降参するか。魔法は物理攻撃のみ。精神魔法、空間魔法、神位魔法、禁忌魔法、異次元レベルの魔法は使用禁止。俺一応使えるし、使ったら秒で終わるからだ。それでも耐えたら怖すぎる。絶対死ぬだろ。


「それでは両者位置につけ」

「粉々に砕いて、また再生してやろう」

「ふ。ふふふ。負けないように、善処しよう」


やばい。緊張してきた。


「開始っ」


先手はミレノ。一直線に俺に向かい、何かの呪文を唱えている。ええと、何するんだっけ。


「<獄炎ヘルフレイム>」


かなりの熱量が俺に向かってくるのが分かる。バックステップで後ろに飛び、氷属性の壁を作る。


「<氷壁アイスウォール>」


目の前に巨大な氷の壁が出現する。どうやら防ぎきっているようだ。と思っていたら、今度は上空からだ。


「<隕石ミティオライト>」


次は隕石かよ。ミーヤは防御魔法張ってるし、大丈夫か。

反撃する。負けたくないし。


「封印解除『身体能力』」


途端に体中が物凄く軽くなる。勢いに任せ一気にジャンプし、一瞬でミレノと向かい合った。と同時に飛行フライも発動しておく。


「なっ」


いや、普通だろ。エリスあるあるだって言ってたし。


「<魔法無効化マジックキャンセル>」


これは、発動している魔法を、強制的にキャンセルする魔法だ。結構ややこしい仕組で、下手すると自分自身の魔法も無効化してしまうので、あまり実戦には向いていない。

それに対し、悠々と浮いていた魔女さんは、これを予想していなかったらしく、驚いた表情で落ちていった。

後を追うように、俺も一気に降下する。


「<氷槍アイススピアー>」

「あっぶなー」


フェイクかよ。眼の前に小さな爆風を生み出し、間一髪で避ける。これって、、、殺す気だよな。

反撃できてねえ。


「<雷竜サンダードラゴン>」


ちょっと魔力を強めに込めて、雷属性の龍がミレノと俺の間に出現させる。これは、敵とみなしたものを、自動で攻撃してくれる魔法だ。これを無効化できるのは、さっきの<魔法無効化マジックキャンセル>か、防御魔法だけだ。さて。どう来るか。


「ぐはっ」


え、、、避けない?普通避けるか防ぐかするくないか?フェイク、、、でもなさそうだし。いやいや。今がチャンス。この決闘を終わらせるいい機会だ。


「死ぬなよ。ミレノ」


憎しみげに睨み、体制を立て直そうとしている。今のうちにやっておこう。


「<爆裂エクスプローション>]


この魔法が、長い決闘の終わりを告げた。

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