SPEEDSTARS番外編 -プライドを抱いて生きる-
伊吹rev
EP - 01 終わりの予感
夜中に突然目が覚めた。胸のところが
私はいつもどおり枕元に置かれていた
今日は金曜日だというのに、安眠を
生まれた当時、心臓があったであろう場所に手を
それでも私が生きていられるのは、ひとえにエンジンの原理を応用したピストン装置が心臓機能を代替えしてくれているからだ。しかし、どうにも最近調子が悪い。夜中、特に心拍数が落ち着き出す頃にかなりの確率で余計な振動が起きる。医者によると血が固まろうとしてしまうからだそうで、なんとかその
でも、なんとなく、長くは持たないんじゃないかという気がしている。そもそも幼い頃に埋め込まれた心臓だ、おとなになってしまった今、体が要求する容量に足りているとも思えない。それに、数十年も動きつづげている機械が
「はぁ・・・」
未来のことは考えるだけで不安になるし、何より明日も朝から制作の依頼が入ってる。せめてこの世を去るその時まで、私はこの世界をうまく回すための小さな歯車の一つでありたい。それが自分の生きた証になると思うから。
そのために自身のパフォーマンスを十分に引き出すには、睡眠時間の確保は極めて重要だ。
改めて布団に潜り込む。枕元のアンプの電源をいれ、ヘッドホンを付ける。眠れない夜は音楽で気を
そうやって周囲の世界から、不安から、自身の不安定な
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