第22話 エリアルとの会話

 つまりだ。神官と仲良くなっていい事しないとエリアルとは話ができないって事か!転生前にそんな説明なかったろ!


「すいません。カツヨリ様を下界へ放つ前に伝えないといけない事がいくつか残っていました。つい、うっかりしてしまいました」


 脳内には美人のエリアル、実体というか身体はアンジェラに貪られてる。なんだこのプレイは。アンジェラ初めての割には激しいぞ。


「それはスキル魅了の効果です。今この神官はカツヨリ様が愛しくてたまらないのです。それに、」


「それに?」


「神官は私を信仰しています。その思いはGP、そうゴッドポイントとして蓄えられます。私はそのGPを使用してカツヨリ様と話をしているのです。ですのでお話できる時間はGPが尽きるまで、あと僅かです」


 おい、またそんな大事な事をさらっと言う。


「この神官は今回でGPを使い果たすでしょう。ですので次にカツヨリ様がこの神官といい事をしても私とは会話ができません。つまり私と連絡を取るには世界中に散らばる教会の神官と契らなければなりません」


「はあ、何言ってくれちゃってんの?そんなの無理っしょ!」


「その為の魅了スキルです。このスキルは密室で異性と2人っきりになると発動します。一度発動すると死ぬまで解けません」


「ちょっとそれって人権無視じゃない?そのスキルやばいでしょ、女神がやるような事かよ」


「これも貴方と会話するために、世界を救うために必要な事なのです。ですので、カツヨリ様には神官以外の女性と密室で2人っきりにならない事をお勧めします。貴方が魔法と精力で精力を選んだのはグッジョブです」


 なんか頭痛くなってきた。この女神大丈夫かよ。あ、聞きたい事聞いとかないと。


「あの水筒だけどどんな魔道具なんだ?水を入れておいたらHPMP両方が回復するポーションになったぞ」


「あ、説明してませんでしたっけ。あれは仰る通り水をポーションに変える魔道具です。回復の杖という神話級と呼ばれるレアアイテムから作った水筒でHPとMPを100ずつ回復します。1回の水補給で5人分が作れます。ただ、秘められている魔力量の問題で水の補給使用回数は100回までです」


「回数制限あるのかよ、で、その回復の杖はどうなったんだ?」


「カツヨリ様に渡すために壊して水筒にしましたのでもうありません」


「ふーん、その回復の杖ってのはどのくらい凄いものだったんだ?」


「はい、それはもう神話級と言われるくらいですから。通常使用MP50のエクスヒール、これはHPをフル回復する素晴らしい魔法ですがMP5で回復魔法を持ってなくても使えるようになったり、パーティー全体を一気に回復するエリアハイヒール等の上級回復魔法が使えるようになる凄い物ですよ」


「その杖を俺にそのままくれた方が良かったような気がするのは気のせいか?」


「…………、ああ、時間切れです。またお会いしましょう」


「おい、こら、待て」


 カツヨリは勢いよく起き上がろうとしたが、その弾みでカツヨリのマグナムが深く突き出され、両者絶頂を迎えノックアウトとなった。


 カツヨリは息を整えてから頭を整理した。

 *エリアルと話すにはGPが貯まっている神官とエッチしなければならない。

 *魅了スキルは密室で2人っきりになると発動し、死ぬまで解けない。

 *回復する水筒は使用制限がある。残りあと98回だ。


 あの時魔法を選んでいたらどうなったんだ?そもそもあの2択にどんな意味がっていうか精力を選ばなかったら自力で神官を口説かなきゃいけなかったって事か。どうもわからない事だらけだ。


「アンジェラ、教えてくれ。どうやって神官は子供に魔法を授けるんだ?」


 アンジェラはさっきまでハアハアいっていたが復活したようだ。


「誰もが魔法を使えます。私はそのきっかけを与えるだけです。神殿にあるクリスタルに手を近づけるとその人が持っている魔法の適性が色で表示されます。火なら赤、風なら緑と使える魔法がわかるので後はそれに準じた訓練を行うだけです。魔法の適性は遺伝とも言われていますがはっきりとはわかっていません。つまり6歳になったら神殿に来るのはただの儀式で実際は生まれた時から魔法は授かっているのです」


 だよな、アンジェラにそんな力があるようには見えないもんな。


「アンジェラ。神殿には必ず女性に神官がいるのか?」


「はい。大きな町には必ず神殿があり、そこには女性の神官がおります。というより神官には女性しかなれないのです」


「ん、なんで?」


「理由はわかりませんが、勇者カツヨリ様のご指示だったとか。ですので、世界中の神官は女性のはずです」


 勇者カツヨリ。一体何者なんだ?魔王を滅ぼしたっていうけど、あ、思い出した。


「アンジェラ。龍とか鬼っているのか?」


「勇者伝説には龍や鬼が勇者カツヨリ様のパーティーにいたとされています。龍は龍王山というところに生息していると言われています。鬼族はどこにいるのかわかっておりません。龍も鬼も人の姿に変身できると言われていますので、あちこちの町に紛れ込んで生活しているという学者もいるそうです」


エルフの言う勇者と龍、鬼が出会う時魔族が復活する言い伝えを信じるなら、俺がこの町から動かなければいいのかとも思ったがそうではないようだ。まあ俺が勇者かはわからんけど、影だしな。

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