抗えぬ運命 解答

第1話

「さいしょっから全部決まってた事だって言うのかよ」

　運命に抗う事は出来ない。

　なぜならば、運命はなるべくしてなるから運命というからだ。

　運命から逃れようとする事は愚かしい事。

　ああ、何と嘆かわしい。

　小細工を弄した所で、こうなる事はあらかじめ決められていたというのに。

「まだ、どうなるか分かんねぇだろ！」

　愚かな。

　どうあがいたろころで結果は目に見えている。

「俺はっ、俺はまだ、諦めねぇ。最後まで絶対に。うおおおおっ」

　無駄な事を。

　愚かな男が懸命に足掻いているのを見下ろしながら、私は結果をつきつける。

「はい、答案返しまーす。佐藤君0点ね。勉強しなかったんだから問題とけるわけないんですよ」

「くそっ、せめて選択問題があれば、鉛筆転がして答えられたのにっ！」

「だから、そういう問題なくしたんですよ」