第3話 順番待ち



 ビックリハウスの前に行くと、大勢の人間が順番待ちをしていた。


 だから、入るのに何十分もかかるらしいけど、翔太は待つ事ができた。


 数十分の我慢で、楽しそうなクラスメイト達の輪に入る事ができるのなら、それだけでおつりが出るくらいの事だったからだ。


 長い時間をかけて、列はゆっくりすすんでいく。


 出口からは時折り、楽しそうな子供達が出て来ていた。


 待つだけの時間はつまらなかったけれど、その光景を見る度に翔太は固い決意で我慢するのだった。


 やがて、陽が傾きかけて来た頃、翔太の番がやってきた。


 翔太は親切なおばあさんからもらったチケットを、受付の人に渡して、意気揚々と入り口から中へ入っていった。


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