第2話 チケット入手



 下校中の翔太は思わぬところから、チケットを入手した。


 通学路の途中で気分が悪そうにしていた老婆を気遣った時に、使わないからと渡されたのだ。


 翔太は嬉しくなった。


 これでクラスメイト達の話についていけるからだ。


 クラスの中で一人だけ、皆の輪から外されるのは深刻な事だった。


 翔太のクラスでは、みな流行に詳しい。


 新発売の漫画やゲームの話とかで、すぐに盛り上がる。


 けれど、翔太の母親はめったに物を買い与えない人だった。


 だから翔太はいつも、輪の外にいたのだった。


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