ランドセル

おもいおもいカバンを背負って

ときには両手にも荷物を抱えて

毎日登校していたな


当時は考えなしだったけど

生きていくための矢じるしが

希望がぎゅうぎゅうに詰まってた


思えばそう

ランドセルは

たからばこでした


だから子供は嬉しいんだろう

ツヤツヤピカピカの大きなカバンを

自分に託されることが


たからものを徐々に手に入れ

形だけでも使えるようになるころに

役目を終えてひしゃげるんだ


子供が手を離さないよう

しっかりしがみついている

振り回したり振り回されたり

ほん投げられたり傷つけられたり

ときにはデコレーションされながら

何年も寄り添っている


かけがえのない

たからばこでした





211213

深夜の二時間作詩 第136回「ランドセル」

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