無限

無限とはなんなのだろう

フラクタルのような繰り返しを言うのか

時間のように流れ続けるものを言うのか


ただ時間は表裏一体である

数字という定形の概念の繰り返し

現象という不定形の今の重なり


無限大という言葉

無限という言葉


一見どちらもおなじだが

前者には規模を表す枷がつく一方

後者はあくまで自由なふうだ


しかし言葉で言うのであれば

無限も形容され枠で括られている

限りが無いという決まりが律する


とはいえ認識のできる名前がなければ

人は無限をとらえられない

さながら怪異を縛る術師の術だ


無限は無限であり

その実有限なのだ


では本当の無限とはなんなのだろう

宇宙のように茫漠としていて

言葉では表現しきれないもの


望洋とあるもの

わたしたちの意識そのもの





20210502

深夜の二時間作詩 第108回『無限』

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