空にささめく ── 深夜の二時間作詩編

双星たかはる

嘘つき

本当も嘘も鏡越し

背なか合わせの紙一重

表面上ではホライズン

どちらが正義か判りません


花が咲いては散るように

あなたがわたしを嫌いなように

理論上ではオフコース

だれもが道理で動いています


夜空に輝く天秤よ

公平な裁きをお願いします

信じるものや環境で

オセロのコマは変わってしまう


女教皇のボアズとヤヒン

真実はどこにでもあって

その不採用ぶんが嘘になります

だから分かり合うのは難しい


正しいことだけを言う人は

平行線をたどるため

その実だれとも交れません

答はひとつではないのですから


人間は嘘つきです

嘘をつくから人間なのです

白黒だけでは生きられません

無矛盾性の話です





20210403

深夜の二時間作詩 105回『嘘つき』

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