魔王への道

kuu

プロローグ

 馬車が揺れる中、手かぜをはめられた蒼髪の少女翠は恐怖で震えていた。

 翠の震えが隣りに座る手かぜをはめられた女性琴音に伝わる。

 琴音は横を向き優しく翠に声をかけた。


「大丈夫。助かるわ。翠さん」


 翠の口が開く。


「そうですよね。助かりますよね。琴音先生」


 琴音は頷いた。


 ……

 ……


 馬車が止まり男たちが馬車に入ってくる。

 琴音と翠は監禁部屋に連れて行かれた。



 両手、両足をロープに縛られ翠は泣き叫ぶ。


「痛い。止めて」

「止めるはずがねえだろ。お前は奴隷になるんだよ」


 強面の男性は笑いムチを振った。

 翠のお腹にムチ跡が残る。

 音と共に鉄格子が開く。

 一人男性が入って来た。


「その辺にしとけその女、明日お披露目だ」


 強面の男性は口を開いた。


「ちっ。仕方ねえなあ。売れ残ったら俺が可愛がってやるぜ」

 男性たちは鉄格子を閉め監禁部屋を後にした。


(誰か助けて)


 翠は泣いた。



 翌日。 

 琴音と翠は買い手がつき奴隷として売られた。

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