学園ものあるある
あーく
第1話 出会い
「キャー!ガイ様よー!」
「キャー!ガイ様ー!こっち向いて―!」
学校の廊下で黄色い声援を受けているガイは、女子から大人気だ。
ブロンドのセミロングと学ランのボタンで、全身から輝きを放っている。
毎日下駄箱にはラブレターが入っており、教室には出待ちがいるほどだった。
しかし、彼に全く目もくれない女子がいた。
「あぁ~………。ミレイさん………。なんて美しいんだ………。」
「あぁ~………。今日も心が浄化された。俺もう死んでもいいわ。」
彼女の名はミレイ。ガイと同じクラスで、学校一の美女である。
ブロンドのロングヘアで、セーラー服のスカートから見せる細長い脚は、モデルを彷彿とさせる。
毎日下駄箱にはラブレターが入っており、教室には出待ちがいるほどだった。
あるある① 主人公が美男美女
放課後――
「ミレイ。今日も一緒に帰ろうぜ。」
「あんたが勝手についてきてるだけでしょ?」
「なぁ、俺たちそろそろ付き合おうぜ?他の奴らも俺たち付き合ってるって思ってるみたいだし。」
「はぁ?なんであんたと付き合わなきゃいけないわけ?毎日私とあなたの出待ちが多いせいで廊下が満員電車みたいになってるの知ってる?」
「はっはっは!おもしれー女だな!」
「どこに面白い要素があったのよ。とにかく、付き合う気はないから帰ってくれる?」
「だから一緒に帰ろうぜ。」
「………もういいわ。勝手にしなさい。」
二人は校門を抜けた。校門を抜けると、目の前に道路が見える。
大きい道路ではないが、時々車が通る。
ガイとミレイは、この大きい道路に沿って歩いていた。
すると、車のいない道路を黒猫が横切っているのを見つけた。
「あ、猫ちゃんだ。かわいい。」
「君の方がかわいいよ。」
「うるさい。」
その時――
トラックが前方から走って来るのが見えた。
しかし、黒猫はそれに気付かないのか、路上でのん気に毛づくろいをしている。
「危ない!」
ミレイはすかさず道路に飛び出した。
すると、黒猫はミレイに気付き、道路の外へ逃げていった。
「よかった………。」
「ミレイ!」
トラックはスピードを落とさず、ミレイの目の前まで迫っていた。
ガイも飛び出し、ミレイを突き飛ばした。
トラックのブレーキ音とクラクションが道路にこだまする。
ドンッ!!
トラックは止まり、運転席から運転手が降りてきた。
「大丈夫か!?キミたち………あれ?」
そこにガイとミレイの姿はなかった。
あるある② おもしれー女
米大附属高等学校。
ハナコが通っている高校だ。
朝の登校時、ハナコは急いでいた。今日に限って目覚まし時計をセットし忘れていたのだ。
息を切らして走って、曲がり角を曲がった時――
ドンッ!
「いった~………。すみません!大丈夫ですか!?」
ハナコの目の前にいたのは、まるで少女漫画に出てきそうなイケメンだった。
ブロンドと学ランのボタンが太陽の光を反射して眩しい。
「いてて………。キミ、ケガはないかい?」
トゥンク!
ハナコはイケメンから放つ視線で心臓を撃ち抜かれたようだった。
「わ………私は大丈夫です………。では、急いでいるので、これで………。」
ハナコは急いで学校へ走っていった。
まだ胸がドキドキしているのは、ずっと走っていたからだろう。
あるある③ 曲がり角で人とぶつかる
「ま………間に合った………。」
ハナコが息を切らしながら教室に着くと、まるで漫画に出てきそうな美女が尋ねてきた。
「あ、あの!変なことを聞いてくる学ランで金髪のイケメン見ませんでしたか!?」
「学ランで金髪の男の人………。あの人のことかな?」
ハナコはさっきぶつかってきたイケメンを思い出した。
「か、彼氏さんですか?」
「それはない。」
即答だった。ミレイはぶつぶつと続けた。
「――ってことは、ここから近い場所にいるかも………。」
ハナコはきょとんとしてミレイの方を見ている。
「あ、ごめんなさいね。実は私と彼、別の世界から来たようなの。」
あるある④ トラックにひかれて異世界転生
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