第498話 3人目のZ級Ⅰ
「ミクちゃん、デアの傷を治してやってくれ」
「別にいいわよ」
「いや、全然回復してないじゃん」
俺がそう言うと「分かったわ」と一言。デアはミクちゃんの
「本当に凄いわね。ラファエルを倒したことだけあって1秒も経たないうちに全回復とは。お陰でMPも元通りだし」
デアはそう言って立ち上がった。そしてミクちゃんに「ありがとう」と一言。
「ミクちゃん。俺も」
「勿論」
俺はラファエルを倒して新しい力を入手したミクちゃんの
「とりあえずこのダンジョンの結界は張っておかないといけないから、少し待って」
デアはそう言ってモニターを確認しながらキーボードでタイピングを始めた。
「まさか1,000層の魔物が、魔物ではなく500年以上前の転生者だったとは――」
「確かにそうですね。ナリユキ様とミク様が転生者のなかでトップだと思っておりましたが――」
「私が転生者だという事は博士から教わった事よ。そして博士もまた転生者」
「コヴィー・S・ウィズダムが転生者なら、この世界の文明はもっと発展していても良かったんじゃないか? マカロフ卿が転生してくるまでそこまで発達していなかったんだろ?」
「そうね。ただ博士はこの世界の一部の文明だけを発展させる事にしか興味なかったのよ。あとは
「ちょっと待て。俺が記憶を覗いたときは、どういう原理か分からないけど、世界がどうなっているか視る事ができるんだろ? スキルにはそれっぽいの一つもないけど」
「そうなの。博士はそれほど強大な力を身に付けた――或いはどこかに身を潜めているか――。いずれにせよ私の特性では足取りを追う事はできなくなったわね」
ん? 龍族、魔族、竜族、
「特性って人間にも付くのか?」
「ええ。ユニークスキルを覚醒させた後、さらにユニークスキルとの親和性を高めたら使えるようになるわよ。貴方の能力は貴重だから私よりずっと強力な筈。よしこれで大丈夫」
デアはそう言ってキーボードを打つのを止めた。壊れた水槽には魔法陣のようなものが出現して、そこから超高密度のエネルギーの柱が現れた。
「凄いエネルギーですね――」
「確かにこの力があればデアが結界を張り続けなくても済む――」
「私には貴方達が倒した
「成程な――で、話を戻すとユニークスキルとの親和性ってどうやったら分かるんだ?」
「そうね。ナリユキは
「ああ。一応な」
「自由にあの世界に入ることができる?」
「それまだ」
「だったらまだ難しいわね。あの世界に自由に出入りできて、ユニークスキルが覚醒してからいつの間にか特性を得ているって感じなの。最も皆が皆、ユニークスキルを覚醒させたからと言って特性を得られるわけではない。神のユニークスキルを持つ者だけの特権よ。ただ、
「――色々ややこしいな」
「確かにそうね。でもナリユキの
「――本当に何でも分かるんだな」
「分かるって言ってるじゃない。これは
デアが味方になれば、いつ誰が攻め込んでくるか分かるって事なのか? それって凄すぎない?
「ミロクは
「――それは凄いな」
「早く
「ナリユキ君めちゃニヤニヤしてる。どうしたの?」
俺めちゃくちゃニヤニヤしているらしい。だって気になるじゃん。
「いや、俺のユニークスキル超強いじゃんと思ってワクワクしてきた」
「いや、始めから強かっただろ」
「そうですね。今より凄いってあまり想像できません」
ランベリオンとアリシアはそう首を傾げていた。
「何でも出せるんだぜ? それよりデア、もういいんだろ?」
「ええ。大丈夫よ」
「じゃあダンジョンから出よう!」
俺の言葉に全員が頷いた。こうして俺達は無事にダンジョンを攻略して、ミクちゃん、ランベリオン、アリシアは強くなり、
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